雇用調整助成金、いまなぜ延長が必要なの? <新型コロナQ&A>

2020年8月22日 05時50分
 景気悪化などにより、従業員を休ませて雇用を維持した企業に補助を出す「雇用調整助成金」で、新型コロナウイルス対策として導入された特例措置が9月末で期限を迎えます。労働者や経営者の要望を受け、政府は特例の延長を検討しています。なぜこの政策が必要とされているのでしょうか。(渥美龍太)
  新型コロナ対策の中で、雇用調整助成金が注目されている理由は。
  雇用維持の柱だからです。企業が助成金を使って雇用を維持しているため、6月の失業率は2・8%とあまり上がっていません。制度自体は古くからあったのですが、政府はコロナ対応のために特例を相次ぎ導入しました。中小企業の休業手当を100%補填ほてんし、アルバイトらも新たに対象にしました。通常なら原資は事業主が支払う保険料ですが、特例により税金も投入しています。
  特例は今後も必要なのですか。
  「失業予備軍」と呼ばれる休業者は減ったとはいえ、6月で236万人と高水準です。新型コロナの感染再拡大により、休業者が再び増える恐れもあります。中小企業団体幹部は「特例がなくなり自己負担が必要なら、休業手当の支給を嫌がる経営者が多い」と話しています。コロナの前は極端な人手不足が続いていましたが、現状では従業員数を「足りない」とみなす経営者の数は急激に減っています。
  失業率が低くても状況は厳しいのですね。
  雇用問題に詳しい指宿いぶすき昭一弁護士は「特例がなくなれば、解雇や廃業は増える」と話しています。今の雇用は、助成金によってかろうじて支えられているとみているからです。労働者にとっても有効求人倍率が急激に悪化しており、離職すると次の仕事が探しにくい厳しさもあります。助成金だけでなく、介護など人手不足の業界に労働者を円滑に移動させる政策も必要になるでしょう。

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