羽村市動物公園 あす公開 「屠体給餌(とたいきゅうじ)」駆除された肉、丸ごと餌に

2020年8月22日 07時02分

イノシシの肉をついばむアンデスコンドル(羽村市動物公園提供)

 羽村市動物公園は23日午前11時から、飼育しているアンデスコンドルに害獣として駆除されたイノシシの肉を丸ごと餌として与える様子を公開する。皮や肉を引きちぎって食べる野生に近い姿を見ることができるとしている。「屠体給餌(とたいきゅうじ)」と呼ばれる取り組みで、全国の動物園に広がりつつある。飼育されている肉食動物が野生の感覚を取り戻し、ストレス軽減につながるとしている。(布施谷航、竹内洋一)
 羽村市動物公園によると、アンデスコンドルは普段、ニワトリの頭などを与えられるとあっという間に平らげるが、屠体給餌のリハーサルでは少しずつ餌をついばみ、食事を楽しんでいるようだったという。担当者は「動物のあるべき姿に近づけることができる。多くの人に見学してもらいたい」と呼び掛ける。
 屠体給餌への理解促進に取り組む民間団体「ワイルドミートズー」(福岡市)によると、屠体給餌は、釧路市動物園(北海道)、日立市かみね動物園(茨城県)、大牟田市動物園(福岡県)など全国十数カ所で行われている。シカやイノシシの駆除肉の有効活用だけではなく、飼育される動物の「福祉」を重視する。
 野生の肉食動物は狩りをし、毛皮を引き剥がし、骨から肉を引きちぎる。これに対し、動物園の餌は食べやすいブロック状だ。ワイルドミートズーの西村直人理事(25)は「動物園の肉食動物は『食』にかかわる行動欲求が満たされず、そのストレスが檻(おり)の中を行ったり来たりする『常同行動』につながったりする。感染症対策で頭部と内臓は取り除くが、肉をさばかず、皮、骨ごと与えることに意味がある」と説明する。
 これまでの取り組みで、従来は五分で餌を食べ終えていたライオンが、屠体給餌では数時間かけるようになり、興奮して走り回ったり、餌を草の中に隠したりするようになった。見学者のアンケートでは、肯定的な評価が90%以上で「残酷」という意見はごく少数にとどまるという。西村さんは「見学者に取り組みの意義を丁寧に説明することが大切だ」と話す。
 羽村市動物公園の入園料は大人四百円、小中学生百円、四歳以上の未就学児は五十円。問い合わせは、同動物公園=電042(579)4041=へ。

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