ネットヘイト削除要請 川崎市審査会に被害女性不満「対応追いついてない」

2020年8月22日 07時15分

審査会のスピード感に不満を述べる崔さん(左)=市役所で

 ネット上のヘイトスピーチを巡り、ツイッターの書き込みが差別的だとして川崎市に対応を求める方針を決めた市の「差別防止対策等審査会」。ツイッターで標的にされた市内在住の在日コリアン崔江以子さんは二十一日、市役所で会見し、「一日も早い削除のために要請した。対応が追いついていない」と不満を述べた。(大平樹)
 審査会は七月の初会合に続いて二回目。崔さんが代理人の師岡康子弁護士を通じて、市にツイッター上の差別書き込み約三百件を訴えたのは五月だったという。三カ月以上たっても状況は変わらず、市が削除要請などに動くのは九〜十月の次回会合以降となることに「書き込みは今もリツイートされ、世界中どこからでも見られる状況」と嘆いた。
 同席した師岡弁護士は、「ネットの差別はすぐに消すのが一番の救済方法だ」と訴えた。審査会の開催頻度や、審査会に諮問されたのが三百件のうち九件にとどまることについて「正直がっかりした。崔さんを狙った書き込みはネット上のリンチとも言える。市が削除要請してくれることに期待したが、結論としては何も動いていない」といらだちを隠さなかった。
 この会合後、審査会長の吉戒修一元東京高裁長官は報道陣に「ツイッターで表現する人もいろいろなことを考えて表現している。差別的言動に当たるかどうか判断するのは難しい」とした上で、「ネットでの被害者が個別に法的救済を求めるのは負担がある。公的な自治体が支えるのは大きなことだ」と話した。
 市人権・男女共同参画室の担当者は、次回会合まで一カ月以上空く理由を、市議会定例会の会期や委員五人の日程調整のためとしている。この日の二回目会合は、棟居快行・専修大学法科大学院教授が体調不良で欠席した。

会合後に取材に応じる吉戒会長=市役所で


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