<コロナと生きる@いばらき>第2波 「単発」からクラスターへ つくばでもきょうから集中検査

2020年8月22日 07時24分

つくば市でも集中検査に乗り出すことを発表する大井川知事=県庁で

 つくば市のキャバクラで複数人が新型コロナウイルスに感染したことを巡り、大井川和彦知事は二十一日、県庁で臨時会見し、店の周辺にある飲食店従業員や客らを対象に集中的にPCR検査をすると明らかにした。県内の感染の「第二波」は当初、個人の単発が多かったが、クラスター(感染者集団)が目立つようになった。特に「夜の街」の飲食店に波及し感染者を増やしている。(出来田敬司)
 「『夜の街』では、従業員が複数の店を掛け持ちしたり、利用客が店を行き来したりする。早めに対応し、感染の拡大防止につなげたい」
 大井川知事は会見で、今回の集中検査についてそう説明。つくば市のキャバクラ「Club Rouge(クラブ ルージュ)」(天久保一)で従業員や客ら六人の感染を確認し、クラスターが発生しているとして、検査に取り組むことを決めた。
 こうした集中検査は水戸市内の繁華街で実施している「ローラー作戦」に続き、県内で二カ所目になる。
 県内で六月二十日に始まった「第二波」は当初、東京都内など感染が広がっている地域で感染したとみられる個人のケースが多かったが、最近は飲食店などのクラスターが感染者数を押し上げている。
 県と水戸市によると、クラスターの発生場所は飲食店四、病院、会社各一の六カ所としている。
 このうち市内のキャバクラ「CLUB Wayne(クラブ ウェイン)」(泉町三)とボーイズバー「BAR Hangout(バー ハングアウト)」(大工町二)でのクラスターは、従業員の感染者は十五人前後で、友人や家族も含めて計二十五人もの規模になった。
 市保健所保健予防課によると、キャバクラの女性従業員らは営業終了後、しばしば客としてボーイズバーを利用していた。
 県と市は八月一日から、二店がある繁華街で、検査を無料で受けられる「ローラー作戦」を始めた。大工町、泉町、天王町、五軒町、栄町を「特定繁華街」に位置付け、この地域の飲食店や風俗店で勤務する従業員や客を対象に、検査に応じるよう呼び掛けた。
 二十一日現在で、検体を採取したのが千八十二人で、二人の陽性が判明し、検査の受け付けを終えた。九日以降、新たな感染者が出ていないとして、大井川知事はこの日の会見で、週明けにも「安全宣言」を出したいとしている。
 飲食店でのクラスターはほかに、水戸市の飲食店「居酒屋ごじゃっぺ」で六人、那珂市の「カラオケはる」で十四人が判明している。不特定多数が出入りする施設でのクラスターが広がっているほか、二十代を中心に若い人の感染が多い。
 一方で、「第一波」のクラスターは、取手市の総合病院やつくば市の介護老人保健施設、神栖市の障害福祉事業所など比較的、利用者が限られている施設だった。感染者に高齢者が多く、死者も十人に上った。
 水戸市保健所保健予防課の小林秀一郎課長は「第二波は集団となって、押し寄せて来た印象がある。現在繁華街での感染は多少落ち着いているが、今後の動向に目が離せない」と話す。

◆キャバクラ周辺飲食店対象

 つくば市天久保一のキャバクラ「Club Rouge(クラブ ルージュ)」で新型コロナウイルスのクラスターが発生したことを受けた県による集中検査は二十二〜三十日の間に実施する。
 県によると、対象は、天久保一の飲食店の従業員と、八月一〜十六日にこの一帯の飲食店を利用した人。一帯には約二百カ所の飲食店があるとされる。検査は無料で受け付ける。希望者は、専用のコールセンター=電029(301)5250=で予約する(受付時間は午後一〜五時)。
 このキャバクラでは、県発表で、十二日に男性の利用客の感染が確認されて以降、従業員と利用客の計六人の感染が判明。千葉県で発表された分の一人を合わせると計七人になる。(出来田敬司)

◆周辺で働く人「来るの怖い」

クラスターが発生した「クラブ ルージュ」=つくば市天久保1丁目で

 クラスターが発生した「クラブ ルージュ」は、つくばエクスプレスつくば駅から北に一キロ弱にある松見公園と道路一本を隔てた繁華街にある雑居ビルの二階に入居する。
 周辺は、居酒屋やラーメン店など飲食店に交じって、古い二階建ての雑居ビルが立ち並び、クラブやスナックが看板を掲げている。近くには筑波大があり、マンションやアパート建設が進んでいる。
 近くのビルで昼間だけ事務所管理のパートをしている女性は「クラスターは新聞で知った。こんなに近くで感染者が出るなんて、とにかく怖い。今日も働きに来るのが怖かった」と訴えた。
 スナックなど、地区の水道メーターの検針作業をしていた男性(57)は「担当地区でびっくりした」と驚くが、「以前、都内に勤めていたので、今はそれより感染リスクが低いのでは」と話す。それでもマンションのエレベーターでは、指ではなく、必ずドライバーでボタンを押すようにしているという。
 アイスクリームスタンドの女性店員は「ここらは若い人だけでなく、広い年代の人たちが遊びに来ている」と話した。(林容史)

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