リビア内戦、完全停戦で合意 石油輸出再開を巡り大国が圧力

2020年8月23日 06時00分

17日、破壊された家が目立つリビア中部シルトの街並み=ロイター・共同

 【カイロ=蜘手美鶴】国家分裂状態の内戦が続くリビアで、対立する西部の暫定政権と東部の軍事組織「リビア国民軍(LNA)」側が21日、完全停戦で合意した。ただ過去には停戦合意と破棄が繰り返され、どう合意を維持していくかが課題となる。
 内戦は西部をトルコやカタール、東部をエジプトやロシアが支援する構図。各国の介入目的には石油や天然ガスが豊富なリビアでの経済利権の確保も含まれる。一方、リビアでは1月にLNAが一部の油田や港を封鎖して以降、原油生産量が激減。輸出はほぼ停止し、損失は80億ドル(約8500億円)以上だという。状況打開に向け、米国も加えた各国高官が頻繁にリビア入りしていた。
 停戦へ動いた背景には、膠着こうちゃくする事態を打開するとともに、石油輸出を再開させたい各国の思惑もある。リビアの政治評論家サミ・アトラシュ氏は「戦闘以外の問題に加え、石油輸出再開を迫る各国の圧力も強かった。停戦以外に選択肢はなかった」と説明する。
 両勢力は停戦合意のほか、石油生産・輸出の再開▽来年3月の大統領選・議会選実施▽中部の要衝シルトに暫定評議会設置―などを表明した。
 西部に軍を派遣するトルコと、軍事衝突も辞さない構えだった東部支援のエジプトは「政治の安定化に向けた重要な一歩」などと歓迎する声明を出した。

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