東京23区の熱中症死者170人 8月では過去最多、昨年1年の死者数も超す

2020年8月25日 05時50分

 東京23区内で8月に熱中症で死亡した人が24日までに、統計が残る2007年以降の8月の死者としては過去最多となる170人に上ったことが、都監察医務院への取材で分かった。昨年1年間の死者135人も既に超えており、過去最多の210人(10年)に次ぐペースとなっている。
 医務院によると、170人は40代~90代以上の男女で、9割超が60代以上。屋内で161人が亡くなっており、このうち142人がエアコンの設置や使用がなかった。17日の死者は32人で、1日の死者数が最近5年間の中で最も多かった。
 8月に死者が増えた理由について、医務院担当者は「長梅雨で7月は平年より気温が低かった。体が暑さに慣れていないのに、8月に入って猛暑日が続いたことが影響しているのではないか」と話している。
 気象庁の予報では、都心は今週も最高気温が30度を超える。同庁の担当者は「週末にかけて暑くなる日が続くので、引き続き熱中症に注意してほしい」と呼び掛けている。

◆新型コロナと症状酷似、感染対策の徹底を

 熱中症による死者が増える中、今年は発熱や倦怠けんたい感といった症状が酷似している新型コロナウイルスの流行が続いているため、手当ての際には特に注意が必要だ。熱中症の症状と思って手当てをした人が、コロナに感染してしまう可能性もあり、専門家は「必ずマスクを着用して手当てをしてほしい」と呼び掛ける。
 日本救急医学会などがまとめたコロナ禍での熱中症対応手引きによると、共通する症状は発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感など。コロナでは特徴的な呼吸困難の症状も熱中症が重症化すれば起こることがあり、医療関係者でも症状を見分けるのは難しいという。
 熱中症かコロナか判断できない人の応急手当てについて、一般社団法人日本救急救命士協会の鈴木哲司会長(47)はマスク着用に加え、涼しい場所に連れていき、衣服を緩め、塩分を含んだ飲み物を飲ませて安静にさせることを挙げる。「屋内で熱中症で亡くなる高齢者も多い。エアコンは生命維持装置だと思って使ってほしい」と話す。
 熱中症やコロナ患者の救急搬送が増える中、救急現場も感染予防に力を入れている。東京消防庁の救急隊員は、すべての搬送で保安帽やゴーグル、マスクのほか、感染防止衣などを着用する。飛沫ひまつ防止のため救急車の運転席と後部座席の間の通路に扉状の隔壁を設置。換気扇も常時作動させ、空気の入れ替えを促している。(天田優里)

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