スコットランド独立派、勢い増す 英のコロナ対策に不信感 

2020年8月25日 05時50分

19日、スコットランドのバノックバーンでスコットランドの独立活動に参加する人=AP

◆世論調査で賛成過半数相次ぐ

 【ロンドン=藤沢有哉】英国北部スコットランドで、独立支持派が再び勢いを増している。ジョンソン政権の新型コロナウイルス対応への不信感が要因とみられ、世論調査では独立賛成派が相次いで過半数を獲得。独立を目指す地域政党は、来春のスコットランド議会選で大勝して道筋をつけたい考えで、英政府は経済支援などで懐柔に躍起だ。
 「(英国という)連合王国は最も偉大な政治的パートナーシップで、その力を失うのはとても残念なことのはずだ」。ロイター通信によると、ジョンソン氏は10日、スコットランドの独立支持派をこうけん制した。
 独立の是非を巡る2014年の住民投票では、独立賛成は45%にとどまった。だが、今月12日発表の現地の世論調査では53%に達し、スコットランド行政府のスタージョン首相が党首を務め、2回目の住民投票を目指すスコットランド民族党(SNP)の支持率は57%に。先月の別の調査でも独立賛成は54%を占めた。

◆スコットランドは独自の対策実施

 英国は新型ウイルスの死者数が欧州最多。英政府の対応には懐疑的な見方が少なくない。これに対してスタージョン氏は英政府の計画よりも外出制限緩和を遅らせるなど独自の対策を実施。スコットランドの人口10万人当たりの感染者数は、英政府が対応するイングランド地方より3割近く少ない。
 英アバディーン大のマイケル・キーティング教授(政治学)は「欧州連合(EU)離脱への不満に、英政府のウイルス対応のまずさが重なった。独自に対応した地元政府が注目を集め、信頼も高めた」と独立機運が再燃した背景を分析する。

◆英政府は沈静化図る

 SNPは来年5月のスコットランド議会選で過半数の議席を獲得して、住民投票の再実施を英政府に迫る計画。一方、許可しない方針のジョンソン氏は先月下旬のスコットランド訪問に合わせ、島しょ部の経済振興に5000万ポンド(約70億円)の拠出を約束。その後、スナク財務相らも現地に入るなど、英政府は経済支援と気遣いの姿勢で独立機運の沈静化を図る。
 ただ、キーティング教授は「多額の財政支援をすればスコットランド側との関係が円滑になる段階ではない」と指摘。一方で「独立支持はまだ50%台前半。社会の変化はまだ始まったばかりで長続きするかも断言できない」と独立機運の高まりにも慎重な見方を示した。

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