中原の障害児施設添い寝の男児窒息死 川崎市の検証に遺族ら「真実解明最後のチャンス」

2020年8月25日 06時55分

清水君の遺影(手前)とともに真相解明を訴える母=市役所で

 「うやむやになった真実を解明する最後のチャンス」−。川崎市中央療育センター(中原区)で二〇一六年十二月に起きた清水正和君=当時(9つ)=の死亡事故を巡り、市に検証を要請した遺族らは二十四日、市役所で会見し、来月から始まる市の検証の行方に期待感を示した。同センターは今も障害児が利用することから「二度と同じような事件が起きないように」と再発防止も求めた。(大平樹)
 センターを運営する社会福祉法人が一七年に市に出した事故報告書によると、清水君に添い寝していた職員は背後から手足をからませていた。会見で清水君の兄(26)は、障害者虐待防止法で正当な理由がない場合は禁止している「身体拘束」に当たると指摘。「なぜ無理に寝かせようとしたのか」と疑問を呈した。
 遺族らは捜査機関に死亡時の状況再現などを求めたが、果たされないまま職員は不起訴処分となった。今回の市への要請では、倒れている清水君を職員が発見して十五分間も放置した理由など、経緯の検証などを要請した。兄は「もうすぐ四年がたつ。疑問点を解明してもらえると信じている」と話した。
 清水君は川崎区桜本で地域住民にも見守られながら育った。通っていた桜本保育園など地域の関係者も、住民グループをつくって市に真相解明を求めた。同園園長の朴栄子(パクヨンジャ)さんは「何がどうなったのか分からないまま。障害のある子どもの権利がちゃんと守られているのか」と訴えた。
 市の担当者は、三年半以上たって有識者による検証委員会を設置することを「捜査状況を見守っていた」と説明。遺族や市民グループの指摘も踏まえて、運営法人が出した報告書に問題点がなかったかどうか見直すという。

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