ドカベン判読できる? 土屋武之さん

2020年8月25日 07時08分
 野球マンガの金字塔といえる「ドカベン」の主人公、山田太郎は、高校球児離れした身体能力の持ち主だ。試合でもそれはたびたび発揮され、攻守にわたる活躍で、明訓高校を勝利へと導いた。代表的な舞台はやはり阪神甲子園球場。阪神電鉄も登場する。
 試合がないある日、山田は甲子園駅から阪神の特急で梅田へ出かける。遊びにではなく、キャッチャーの構えのまま電車に乗り、足腰を鍛えようというのである。どうせなら高加減速性能が自慢の普通電車「ジェットカー」に乗ればいいと思うのだが、作者の水島新司には別な意図があった。通過駅の駅名標を読み取るシーンを描き、動体視力の良さを表そうとしたのだ。
 さっそく登場したのが隣の鳴尾駅。一緒にいた妹のサチ子は読み取れず、太郎から「鳴尾だよ」「武庫川だ」と次々に言われ、「お兄ちゃん、知ってるの?」「知らないけど、そう書いてあった」というやりとりとなる。
 鳴尾は2017年に上下線とも高架駅化が完成して、当時の面影はなくなり、さらに19年には「鳴尾・武庫川女子大前」=写真=へと改称された。ずいぶん長くなったが、果たして今、山田太郎は読み取れるだろうか。

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