コロナで水泳授業の中止相次ぐ中で…水難事故の危険、どう伝える?

2020年8月25日 13時55分
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今夏はプールでの水泳授業を取りやめる学校が相次いだ。更衣室で密集が避けられないなど、20政令市のうち16市教育委員会が公立校で一律に水泳を行わないと決定。一方で、水難事故の危険をどう伝えるかに課題が残り、水に浮かぶ方法を陸上で体験させて試行錯誤する教員もいる。

◆一律中止でない自治体も「事実上断念」「小1~4年は見送り」

 水泳授業の中止を決めた教委が懸念したのは、クラスター(感染者集団)の発生だった。更衣室は集団で着替えることになり、換気も難しい。授業で水中に潜る練習の際には2人1組となる機会があるが、「かといって1人ずつにすると溺れる危険が高まる」(北九州市教委)というジレンマも拭えなかった。
 一律中止としなかった自治体でも対応に苦慮した。川崎市教委は休校の影響で事前の健康診断ができなかったことで、水泳の授業を事実上断念。学校ごとの判断となった静岡市教委と浜松市教委では、感染拡大防止策を徹底した場合のみ授業をした。大阪市教委は小学1~4年について「水遊びが多く、どうしても『密』になる」と見送りを決めた。

◆プール使わずに「浮いて待つ」を指導

 「事故を防ぐための感覚を養いたい」。そんな思いでプールを使わない授業に挑戦したのは、新潟県長岡市の小学校教諭木間このま佳美よしみさん(39)だ。長岡市も水泳の授業を一律中止したため、水難救助の専門家らでつくる「水難学会」(同市)の安全講習に自ら参加し、準備を進めた。
 小学1、2年計約40人を対象に体育館で行った授業で教えたのは、水に流されたときに浮いて待つ姿勢。床に敷いた柔らかいマットを水に見立て、児童にあおむけに寝転んでもらう。木間さんは「息を吸うとおなかが膨らむね。それが、みんなの体にある浮輪なんだよ」と分かりやすく説明した。体験した2年生からは「去年のプールを思い出した」との声が上がるなど、手応えを感じることができた。
 水難学会は安全講習をオンラインでも開いている。斎藤秀俊会長(長岡技術科学大大学院教授)は「浮いて待つ姿勢は、子どもでもいざというときに簡単に実践できる。誰でも指導できるようになるので、ぜひ受講してほしい」と呼び掛けた。
(共同)

関連キーワード

PR情報