新型コロナ 県立高61校を休校に 2日から高崎などの市立小中高も

2020年2月29日 02時00分

対応方針について議論した臨時校長会議=渋川市で

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で政府が全国の小中高校などに臨時休校を要請したことを受け、県内の教育委員会や学校は二十八日、対応に追われた。異例の休校要請に保護者には戸惑いが広がっている。(石井宏昌、菅原洋、池田知之、市川勘太郎)
 県教育委員会は政府方針に基づいて三月二日から県立高六十一校を春休みまで休校にする方針を決めた。
 卒業式は在校生を出席させずに生徒一人に保護者を一人に限定し、入学式や始業式については今後に判断する。
 高崎市は市立小中高校と特別支援学校を三月二~二十五日に臨時休校とし、二十七日から春休みに入る。
 休校中、子どもたちの「居場所」として各学校の体育館、公民館、高崎アリーナなどの施設を午前八時から利用可能とした。共働き家庭に配慮し、放課後児童クラブ(学童保育)を同八時ごろに開所できるよう各施設に依頼した。
 政府の突然の要請について飯野真幸教育長は「教職員も驚いたと思う。子どもたちに感染を広げないという点では評価したい」としつつ、「保護者にとっては不安が交錯すると思う。保護者の不利益にならないよう対応したい」と語った。
 渋川市は二十七日、「新型コロナウイルス対策本部」を開き、市立小中学校二十三校を三月二日から春休みまで臨時休校することを決めた。二十八日には臨時校長会議を開き、校長らが休校期間を確認し、今後の課題について議論した。

◆前橋は学校開放

 一方、前橋市は市立小中高校と特別支援学校を三月二日、三日、二十六日を登校日とし、四日~二十五日(高校は二十三日)までを休校にする。
 日中に親が面倒を見られない家庭の児童の居場所として、休校期間中に学校を開放する「スクールホーム」を実施する。
 事前にメールで希望を募る。健康状態を確認し学校で自習をしてもらう。受け入れは午前八時半から夕方までを軸に調整する。
 県内では新型コロナウイルスの感染者が発生していないが、山本龍市長は「制度設計がなく休校だけが提示され苦慮している。型にはめられた違和感は感じている」と戸惑う。その上で「われわれなりの取り組みを示したい」と述べた。

◆保護者から不安の声「唐突で場当たり的」

 休校となる学校も対応に追われた。大泉町南小学校は二十八日、保護者に休校を知らせるメールを送った。休校の準備を進めねばならず、同校の教員は「現場は大変です」と話す。
 保護者からも不安の声が上がった。
 「本当に子どもを守ることになるのか」。高崎市に住む保育士の長谷川明美さん(38)は疑問の声を上げる。
 高校教諭の夫と中学二年の長男、小学五年の次男、勤務先の保育園に一緒に通う長女(5つ)の五人家族。政府の要請で、同市の市立学校は三月二日から休校になる。長男と次男は休校中、家で留守番をする予定だが「不用心だし、安全に過ごせるのか不安」と漏らす。
 政府の対応に「約一カ月間、子どもだけで過ごす家庭が全国で広がることになる。感染だけでなく事故などのリスクをどう考えているのか」と憤る。その上で「せめて一週間ぐらいの時間的余裕がほしかった。あまりに唐突で場当たり的」と語気を強めた。
 保育園の同僚の長谷川美穂さん(44)は「子どもだけ休んでも、親が感染して家庭に持ち込む場合もある」とやはり効果を疑問視する。「小中高校を休みにして、重症化しやすい幼い子がいる保育園は集団生活のままというのもおかしな話」と反発する。会社員の夫と共働きで、小学四年と同二年の男児は学童保育に通う。「狭い場所に密集している点では学童保育も学校と一緒かそれ以上で、感染拡大のリスクはある。普段と違う環境で子どものストレスも心配」と不安を募らせる。
 小学校五年の長女がいる大泉町のシングルマザーの女性は、仕事はパートで、両親は県外在住だ。「娘は当面、家で留守番させて仕事するつもりです」と話す。「政府の対応は後手後手。(感染が収束せず)周りから批判されたから、休校要請したのでは」とも憤る。

関連キーワード


おすすめ情報