医師不足の吾妻郡、治療迅速化へ 常勤の救急医派遣 4月から原町赤十字病院に

2020年2月21日 02時00分

医師の配置方針を説明する前橋赤十字病院の中野実院長(右)と群馬大病院の田村遵一院長=県庁で

 県内でも深刻化する医師不足に対応するため、県と県内の主要病院や医療団体でつくる「ぐんま地域医療会議」は二十日、常勤の救急医がいない原町赤十字病院(東吾妻町)に、四月から前橋赤十字病院で部長級のベテラン救急医一人を常勤で派遣すると発表した。県庁で記者会見した前橋赤十字病院の中野実院長は「原町の病院で受けられない救急車を受け入れ、救急医が患者の搬送病院や処置の判断もできる」と期待を込めた。 (菅原洋)
 中野院長は医師らが搭乗する「ドクターヘリ」に触れ「吾妻郡はドクターヘリの運航が多い。(救急医が常勤になると、運航先の)現場や近くの病院で治療できる」と述べ、この点でも治療の迅速化につながるとの見解を示した。
 消防庁によると、二〇一七年に原町赤十字病院に近い吾妻広域消防本部が各病院まで患者を搬送した平均時間は、県内の各消防で最長の約五十九分。全国平均より約二十分も長い。
 救急医の派遣方針は、ぐんま地域医療会議が同日に公表した二〇年度の医師適正配置方針に記した。
 一方、医師不足に伴い、太田市の県立がんセンターで一般病院は耳鼻咽喉科が担当する部位のがんを診療する「頭頸(とうけい)科」が、新規患者の受け入れを一時停止している問題は、同医療会議でも協力できない厳しい現状が分かった。
 記者会見に出席し、各医療機関に医師を派遣する群馬大病院の田村遵一院長は「(頭頸(とうけい)科は)群大病院の中でも手いっぱいの状況。若手医師の育成が急務だ」と説明した。
 同医療会議はがんセンターなどの問題を受け、医師適正配置方針に「県外大学病院などとの連携も強化し、新たな医師派遣のルートを開拓する必要がある」と盛り込んだ。
 厚生労働省と県によると、一八年末に医療施設に勤める人口十万人当たりの医師数は県内では二二八・三人。全国平均の二四六・七人を下回り、都道府県別で三十二位にとどまる。

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