不正アクセス 前橋市がNTT提訴へ 復旧費用など賠償求め

2020年2月20日 02時00分
 前橋市立小中学校の児童や生徒ら約四万八千人の個人情報が、システムへの不正アクセスで流出した可能性が高い問題で、市は十九日、システムを委託したNTT東日本(東京)を相手取って約一億八千万円の損害賠償を求めて前橋地裁に提訴する方針を固め、同日の市議会教育福祉常任委員会に報告した。市は来月の市議会定例会に関連する議案を提案し、可決後の今春に提訴する見通し。 (菅原洋)
 市によると、市と同社は二〇一五年に委託契約を締結。不正アクセスは一八年の春に確認され、子どもたちの氏名や生年月日などと、保護者名や給食費の金融口座情報も流出した恐れがあると分かった。
 市は同社が委託先としての義務などを怠ったことで不正アクセスされ、復旧作業の費用が生じ、損害賠償を求めるとしている。
 この問題では、不正アクセスでインターネットから侵入。文部科学省の教育情報指針は重要項目として、個人情報をネットに接続できるシステムで管理しないと定めているが、市のシステムは問題発覚前はネットに接続可能だった。
 このため、市はシステムの個人情報を扱う部分を分離してネットから遮断する対策を進めた。保護者の相談を受けるコールセンターを設け、職員が時間外勤務して人件費もかかった。
 市は一九年一月、こうした費用一億数千万円を同社へ請求。しかし、翌月に同社の弁護士から「当社が責任を負うものではなく、市の請求は理由がない」と回答があり、その後も交渉していた。請求額には、かかった費用に市の弁護士費用や遅延損害金も加える。
 同社群馬支店は取材に「弁護士に委任しており、コメントは差し控える」と述べた。

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