育鵬社教科書 「疑惑、説明するべき」 県教委採択で市民団体批判

2020年8月27日 07時39分
 県教育委員会は二十六日、定例会を開き、県立伊奈学園中学校(伊奈町)で来年度から四年間使う歴史と公民の教科書について、引き続き育鵬社版にすると決めた。歴史認識や憲法観に問題があるとして、同社教科書の採択に反対してきた市民団体の関係者は「市民の声に耳を傾ける姿勢がない」と批判した。
 この日の定例会までに、県教委には五団体から計八本の抗議文や要請文が寄せられた。いずれも育鵬社版の採択に反対する内容だった。うち一本は審議した教育委員の中に「同社の利害関係者がいる」とする抗議文だったが、定例会では内容に触れられなかった。十一日の前回定例会で採択案をまとめた際に議論を尽くしたとして、この日は原案通り可決された。
 定例会後、高田直芳教育長は要望書などの取り扱いについて「書面は見てもらっている。そのことで十分だと思っている」と説明。一部の委員が同社の「利害関係者に当たる」との指摘には、文部科学省の通知を踏まえ、「当たらない」との見解を示した
 抗議文を提出していた「より良い教科書を求めるさいたま市民の会」の水谷至さん(55)は、県民に公開される定例会の場で、教科ごとに具体的な教科書名を挙げて議論されなかったとして、「なぜこの教科書を選んだのか説明がない」と問題視。抗議文についても「利害関係者かどうかグレーゾーンなのは分かるが、疑惑を持たれている状態。説明があってしかるべきだ」と語気を強めた。(飯田樹与)

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