耕作放棄地、AI判定 裾野市が実証実験 自治体2カ所目 時間と労力削減へ

2020年8月27日 07時50分

耕作放棄地を地図上に赤色で示した「ACTABA」=SAgri提供

 裾野市は、人工知能(AI)が衛星写真から農地の荒れ具合を自動判定するアプリを活用した実証実験を今月中旬から始めた。毎年一回、農業委員が各農地を回って耕作放棄地かどうかを目視で点検する調査があり、こうした昔ながらの作業にデジタル技術を取り入れ、時間と労力の削減を図る。(佐野周平)
 アプリは、兵庫県のベンチャー企業「SAgri」が昨年度に開発した「ACTABA(アクタバ)」。衛星写真から取得した波長データを基に、AIが農地の荒れ具合を判定。耕作放棄地と思われる場所を地図上に赤く表示する。農地ごとに荒れ具合を数値化し、数値が上がるほど、赤色が濃くなる。同社によると、自治体がこのアプリで実証実験を行うのは、全国で二カ所目。
 以前、茨城県つくば市で行った最初の実証実験では、判定精度が九割を超えたという。AIが学習することにより、使うほど精度が上がるといい同社担当者は「まだ開発途上の分野。需要は十分と思っている」と語る。
 市によると、農業委員による毎年一回の調査は、マンパワーの問題もあり、全ての農地を点検するのは難しい。昨年の調査で耕作放棄地だった農地や、耕作者が変わった農地などに対象を絞ったが、それでも約三カ月かかる。点検対象の農地に印を付けた地図などを事前に準備するのも一苦労だったという。
 始まった実証実験では、一部の農業委員が、地図と一緒にタブレット端末を持ち、ACTABAのデータも見ながら農地を回る。本年度は判定精度の確認も兼ねて、例年と同じ対象基準で点検する。
 市担当者は「ACTABAの精度が十分となれば、耕作放棄地か判別しにくいグレーゾーンの農地だけを目視で点検するような形も考えたい」と期待する。
 トヨタ自動車が、市内で新技術の実証都市「ウーブン・シティ」建設を計画しているのを受け、市は三月、デジタル技術をまちづくりに生かす「SDCC構想」を策定した。デジタル技術で地域課題を解決するアイデアを募集し、今回の実証実験は、その第一弾のプロジェクトになる。

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