マイナポイント申し込み不調 「個人情報漏れる」根強い不信感

2020年8月28日 05時55分
 キャッシュレス決済を利用したマイナンバーカード保有者に買い物で使えるポイントを配る政府の「マイナポイント」事業で、ポイントの利用申し込みが低調だ。事業開始の9月に向け、申込者はカード保有者の2割にも満たない。個人情報が漏れるとの不信感が根強い上、ポイント獲得までの手続きが複雑なのが主な理由といえそうだ。 (大島宏一郎)
 総務省はマイナンバーカードの保有者を増やすため、今回のポイント制度を導入した。今月1日時点のカード保有者は約2300万人で全人口の約18%しか普及していない。さらに、保有者のうち、ポイント利用の申込数は26日時点で約432万人と同じく約18%で低調だ。

◆マイナンバーカード、取得しない理由は

 情報サイトを運営するトラストバンクが今月、インターネット上で約1000人を対象に行った調査では、カードを取得しない理由に「プライバシーが心配」を挙げた人が「メリットを感じない」に続いて2番目に多かった。
 実際、今年5月には、雇用を維持する企業に補助を出す厚生労働省の雇用調整助成金のオンライン申請で事業者の情報が流出している。キャッシュレス決済に詳しい大和総研の長内智氏は「国に個人情報を預けるのに不安を持つ人は多い」とみる。

◆ポイント獲得の手続き複雑

 手続きも簡単とは言えない。カード自体の交付に申請から約1カ月かかる上、ポイント獲得のためには、スマートフォンの専用アプリでカードを読み取るといった作業が別に必要だ。実際に手続きをした消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「カードをうまく読み取れずに何度もやり直した。高齢者など慣れない人にはハードルが高い」と指摘する。

◆「現金派と格差招く恐れ」

 カード保有者が少ない中で、そもそも多くの人はポイントを使えない。長内氏は「国民の税金を使う事業にもかかわらず、カード保有者しか恩恵を受けられないのは公平性に欠ける。現金派への配慮がなければ格差を招く恐れがある」と懸念する。

マイナポイント マイナンバーカードを持つ人が、電子マネーやクレジットカードといった「キャッシュレス決済」で買い物すると、購入金額の25%分(上限は累計で5000円)のポイントが付与される仕組み。利用機会の少ないマイナンバーカードの普及を狙い、9月から来年3月まで行われる。事業の一部は一般社団法人環境共創イニシアチブを通じて広告大手の電通に再委託されている。

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