「公権力への絶望が広がった」 辞意表明の安倍首相に識者らから厳しい評価も

2020年8月29日 06時00分
 体調不良で辞任する意向を明らかにした安倍晋三首相に対し、識者からは辞意の判断を評価する一方、新型コロナウイルスを巡る対応を批判する声も上がった。

◆正しい判断だと思う

ジャーナリスト・田原総一朗さん 27日時点で政権幹部から「続投」と聞いていた。国の責任者が体調不良ではいけないから、正しい決断と思う。在任中のレガシーは集団的自衛権の行使容認。冷戦後の日米同盟強化のため必要だった。アベノミクスは内需拡大に結び付かず失敗だ。だが野党が、経済政策の対案を示せず、長期政権を許したのだと考えている。

◆公権力への絶望広がる

神戸女学院大名誉教授・思想家内田樹(たつる)さん 安倍政権の7年8カ月で国力が落ち、日本の国際社会における多くのランキングで「先進国中最下位」が定位置になった。首相が数々の疑惑を免責されたことが常態化し公権力への絶望が広がった。コロナ禍では失態を重ね、緊急事態に首相に権限を集中しても意味がないということを露呈してしまい、改憲の大義名分が消えた。同じ顔触れでの政権のたらい回しは許されない。

◆女性活躍広がらず

戒能(かいのう)民江・お茶の水女子大名誉教授(ジェンダー法学)経済政策の面からではあるが「女性活躍」を掲げたのは評価できる一方、企業の管理職や政治家など意思決定の場に女性が増えていない。男女格差を示す指数は153カ国中、121位。コロナ禍で家庭内でも雇用でも女性の負担は増えている。原因を分析し構造的な問題の解決につなげないと、日本社会は国際的に生き延びていけないだろう。

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