「奈良古墳群」県史跡に 審議会答申 「群集墳」の県指定は初

2020年2月4日 02時00分

奈良古墳群の遠景(県教委提供)

 県文化財保護審議会は三日、沼田市奈良町の「奈良古墳群」を県史跡(古墳)に指定するよう県教育委員会に答申した。県内では前方後円墳のような大型古墳は数多く史跡に指定されているが、小型円墳が密集した「群集墳」の県指定は初めて。古墳時代末期(七世紀)の歴史を知る上で学術的価値が高く評価された。
 県教委と市教委によると、奈良古墳群は古墳群として県北部を代表し、十三基の円墳から成る。直径は最大規模の十五~十七メートルが二基、十一~十二メートルが五基、十メートル以下と規模不明が計六基ある。見学は自由。
 指定面積は古墳群東側主要部分の市有地を中心にした約三ヘクタールで、全てに横穴式石室を含む。昭和中期には、推測された痕跡を含めて五十九基が分布していた。県内の多くの群集墳は開発に伴って消滅した。
 出土品は乗馬の際につま先を入れる鉄製壺鐙(つぼあぶみ)や飾りの金銅製杏葉(ぎょうよう)などの馬具類が顕著で、武具類、須恵器なども含めて計約二百八十点。古墳群を形成した集団は馬の生産に関係していた可能性が高く、軍事的な側面もあり、古代群馬の馬生産の展開を示す重要な群集墳という。
 県庁で記者会見した審議会の右島和夫委員(県立歴史博物館長)は「古墳群には古代の家長らが家族と一緒に埋葬され、近くに血縁関係もある別の家長たちの円墳が村の墓地のように群集したのではないか」とみている。
 奈良古墳群は一九七七年に出土品が市重要文化財に、八〇年に市史跡に指定された。今回の指定が近く県報に告示されると、県史跡は八十八件となる。(菅原洋)

出土した鉄製壺鐙(沼田市教委提供)

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