「たくさんの問題が散らかったまま」 首相辞任表明に街の声

2020年8月29日 07時04分

辞任表明の記者会見に臨む安倍首相。左端は菅官房長官=首相官邸で

 28日、辞任を表明した安倍晋三首相。突然の退陣に都民からは、さまざまな声が聞かれた。経済政策「アベノミクス」を評価する声もあれば、集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変える閣議決定をしたことに「閣議決定で何でもできる悪い前例を作った」との批判も。退陣に「驚きはない」と冷静な受け止めがある一方、新型コロナウイルスの終息が見えない中「たくさんの問題が散らかったままだ」と憤る声もあった。
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 港区のバーで接客中の店主山崎耕史さん(46)は「ここ数日の動きで辞めるかもしれないと思っていたので、驚きはない。体調が悪いなら仕方ない」と淡々と語った。「庶民の暮らしが良くなったかは別として、株価が上がったなら、それはそれで良くやったのでは」と話した。
 用事で八王子市役所を訪れていた無職男性(74)は「辞めるの? そうですか」と、冷ややか。「本人はまだやりたいことがあったのだろうけど、いろいろな問題がうやむやになるのが残念。コロナでも、よその国と比べて指導力がなかった印象だ」
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 浅草寺(台東区)門前の仲見世で土産物店を営む浅草商店連合会理事長の稲葉和保さん(63)は、アベノミクスについて「細かい問題点を挙げる人もいるだろうが、個人ベースでは売り上げが伸びた」と一定の評価をする。外国人観光客を積極的に受け入れた施策も「浅草にとっては良かった」と語った。
 浅草はコロナ禍で観光客は激減した。現在、一時期より人出は増えたが「都内から観光で来る人は土産は買ってくれない」と話し、厳しい状況に変わりはない。次の総理には「危機感を持ってコロナ対策に当たってほしい。大胆な経済政策を」と注文を付けた。
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 国分寺九条の会事務局長の増島高敬(たかよし)さん(80)=国分寺市=は「安倍首相は在任中に自民党改憲案を国会に出せなかった。これは世論の力だ。ただし集団的自衛権行使の容認を閣議決定し、閣議決定で何でもできる悪い前例を作った。今後、閣議決定で改憲に等しいことをやるのではないかという懸念は消えない」と危機感をにじませ、「コロナだけでなく森友・加計学園、桜を見る会、検察庁法改正案、カジノを含む統合型リゾート(IR)汚職、前法相夫妻の公選法違反事件、たくさんの問題が散らかったままだ。衆院解散・総選挙があるにしても、後始末をきちんとした後でなければならない」と注文をつけた。
 米軍横田基地(福生市など)に反対する市民団体「横田基地の撤去を求める西多摩の会」事務局長の寉田一忠(つるたかずただ)さん(75)=青梅市=は「安倍政権で武器の爆買いなど米国の言いなりになる政治が続いた。対米従属政治が変わらなければ、横田基地にも変化は訪れないのではないか」と語った。

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