1分間の短編176作品をつなぎ合わせて「希望」のオムニバス映画に 全国100大学が協力製作

2020年8月29日 13時45分

「ZOOM」を使って開かれたリモート会議の様子。2段目の左から2人目が群馬大の熊谷宏彰さん

 
 新型コロナウイルスの影響で、活動が制限されている全国の大学の映画部や映画サークルが協力してオムニバス映画「突然失礼致します!」を製作した。約100校の映画部などが、「希望」をテーマにそれぞれ1分以内の映像を撮影。集まった176作品をつなぎ合わせて190分のオムニバス作品に仕上げた。コロナ禍にあっても短編なら撮影できると企画され、「沈みがちな日本を明るくしたい」という思いをこめた。インターネットで公開している。(清水大輔)
 「撮れなくて悔しい思いを抱える全国の仲間たちと何かできないか」。群馬大4年で同大映画部部長の熊谷宏彰さん(21)は4月、オムニバス映画の製作を思いついた。すぐに会員制交流サイト(SNS)を通じ、全国の大学の映画部などに参加を呼びかけた。
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の大学は4、5月に休校。映画部や映画サークルは授業再開後も、大学構内への立ち入りが制限されたり、部員が集まれなかったりと、作品製作がままならない。
 熊谷さんの呼びかけに、北海道から沖縄まで約100大学、関東では約40大学が応じ、120の映画部や映画サークルなどが参加した。5月上旬に製作委員会を立ち上げ、ビデオ会議システム「Zoom」を使ってリモート会議を重ね、企画を練った。撮影は3密を避けて実施するよう注意を促した。
 群馬大の作品は、片手で握りつぶしたトマトを使い、ペンネを料理する映像。熊谷さんは「破壊と創造の果てに生まれる希望をイメージして撮った。どんなに社会がコロナで破壊されてもまた再生できるはずという思いを込めた」と語る。
 参加した愛知学院大(本部・愛知県日進市)の作品は、若者が銃を手に「自粛警察」に立ち向かうストーリー。主役を務めた映画部の3年、大崎稜典さん(21)=名古屋市西区=は営業を続ける店などが「なぜ、自粛しない」と批判を受ける世相に、違和感を抱いていたといい、「閉塞感を打ち破りたい気持ちを表現した」と語る。
 集まった180の作品は時代劇やSFなど個性に富む。熊谷さんは「この映画には180通りの『希望』が詰まっている。その多様性を感じてほしい」と話している。
 本編は動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された動画は28日までに1万2000回以上再生されており、来年の劇場公開を予定している。

 <関東地方での参加大学>東京大、慶応義塾大、一橋大、津田塾大、東京女子大、上智大、東京工業大、国際基督教大、東京都立大、明治大、青山学院大、立教大、法政大、東京理科大、成城大、明治学院大、武蔵大、武蔵野大、創価大、日本大、東洋大、東京工芸大、東海大、立正大、東京造形大、多摩美術大、武蔵野美術大、明星大、筑波大、横浜国立大、千葉大、埼玉大、群馬大、横浜市立大、高崎経済大、前橋工科大、駿河台大、城西国際大、尚美学園大

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