王室巡る議論に「タイ政府から圧力」 FBグループページに警告、アクセス不能に

2020年8月31日 05時55分

バンコク郊外で10日、タマサート大学の集会にビデオ出演し「君主制を侵害するのではなく、率直な議論を」と呼び掛けるパビン准教授=岩崎健太朗撮影


 【バンコク=岩崎健太朗】王室批判がタブーのタイで「王室の在り方」をテーマに百万人以上が参加していた米フェイスブック(FB)のグループページへのアクセスが遮断された。FBは「政府から圧力を受けた」としているが、タイ政府は「国内法に従うのは当然だ」と突き放す。
 グループページは、王室や軍政から移行した現政権に批判的な京都大のパビン准教授が四月に開設。「真の民主化に向けた開かれた議論の場」(パビン氏)だったという。しかし、FBは二十四日、デジタル経済社会省から「投稿内容が違法」と警告を受け、タイ国内からのアクセスを突然遮断。タイでは不敬罪が存在し、コンピューター犯罪法などで王室を巡る自由な議論に規制があるためだ。
 これに対しメディアや会員制交流サイト(SNS)ではFB批判が噴出。FBは「政府が刑事訴追する構えをみせたため」と説明し「政府の対応は自由な表現を萎縮させる」と異議を申し立てる方針を表明した。
 パビン氏は「世界最大のソーシャルメディアのFBは、言論の自由を促進する責任がある。政府は、タイが基本的人権の守られた国際社会にあることを理解しなければならない」と主張。新たに開設したページにも九十万人以上が参加するなど、いたちごっことなっている。
 タイでは、プラユット政権に対し若者らを中心に反政府集会が続発。王室改革への言及も出始めたため、政府は警戒を強化し、今月だけで集会の指導者ら十人以上を逮捕した。プラユット首相は二十四日の記者会見で「遮断は、タイの法律と裁判所命令に従ったものだろう。私の独裁的な権限ではない」とかわした。

関連キーワード

PR情報

国際の最新ニュース

記事一覧