柏崎刈羽原発 「当事者になった意味大きい」 周辺自治体議員が研究会

2020年8月31日 07時14分

研究会の活動について説明する事務局長の関貴志・長岡市議(左端)。左から3人目は会長の関三郎・見附市議=いずれも新潟県見附市で

 日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)の再稼働に当たって事前同意が必要な自治体を周辺六市村に拡大した協定が、新潟県で注目を浴びている。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の周辺自治体の議員らが三十日、同様の協定締結を首長らに求めるための研究会を設立。総会では、東海第二の協定に先鞭(せんべん)をつけた村上達也・前東海村長が講演し「水戸市なども原発行政の当事者になった意味は大きい」と語った。(宮尾幹成)
 柏崎刈羽原発は6、7号機が原子力規制委員会の審査をパスし、東電は再稼働を目指す。現在、新潟県が再稼働の是非を判断するため避難計画などを検証している。
 この日、新潟県見附市で開かれた研究会の設立総会では、東海第二での「茨城方式」を参考にするため、村上前村長が招かれた。
 村上氏は、二〇一二年に水戸市を含む五首長に働き掛け、事前同意の対象拡大を目指す懇談会を発足させた。村上氏は一三年に村長を退いたが、一八年に「実質的に事前了解を得る仕組みとする」との文言を盛り込んだ原電、県との新たな安全協定締結が実現した。
 村上氏は「事前同意が立地自治体だけで済んだのは、原発は絶対安全と言っていた時代のこと。福島第一原発事故の後ではもうそうはいかない」と、新協定が必要と考えた動機を説明。新協定によって「再稼働の『拒否権』を隣接、隣隣接自治体の住民も手にした。県と立地自治体が独占していた原子力行政にくさびを打ち込めた」と、その意義を強調した。
 一九九九年の核燃料加工工場ジェー・シー・オー(JCO)臨界事故の際、村独自の判断で住民を避難させた経験を踏まえ、「住民の命を守るのが自治体の役割。その意識さえあれば安全協定を変えることができる」と指摘した。
 一方で、新協定で事前同意権を得た六市村が、実際に再稼働の是非を判断するには課題が山積している。
 再稼働に関する住民の意向をくみ取る仕組みは、六市村ともまだはっきりしていない。
 水戸市の高橋靖市長は、万単位の規模で市民アンケートを実施することを明言しているものの、具体的な手法や時期は未定だ。他の自治体も、議会の意見を踏まえて総合的に判断するなどの方針を示すにとどまっている。
 また、住民や自治体が再稼働の是非を判断する上で重要になる広域避難計画の策定も進んでいない。避難計画は、三十キロ圏内の自治体に義務付けられているが、六市村で策定済みなのは常陸太田市だけ。この計画も、他の自然災害などとの複合災害を想定していないなど不十分な内容で、見直しが不可欠となっている。

東海第二原発の周辺6市村が日本原子力発電と結んだ新安全協定について語る村上達也・前東海村長


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