<志尾睦子のそふとフォーカス> (97)シンプル・イズ・ザ・ベスト

2020年1月19日 02時00分

今回は金時豆ではなく、大好きな白豆で。ごま塩をあえて振らないのも私流

 先日、映画館「シネマテークたかさき」に戻ると、大家さんであるお隣の一文字屋さんから差し入れの甘納豆がたくさん届いていた。いつも気に掛けてくださって本当に頭が上がらない。おやつに最適甘納豆。子どもの頃から慣れ親しんだ味である。普段は感謝とともにすぐに食べてしまうのだけれど、そうだ、と思い立って大事に一袋家に持ち帰った。私にとって一番のぜいたくをするためだ。
 それは甘納豆のお赤飯。子どもの頃こそ、お赤飯というのは特別な日にしか食べないものだったけれど、年を取ると食べたい時に食べて何が悪いのだという気になってくるからおかしい。そもそもお赤飯自体が好きだし、コンビニにだってお赤飯のおむすびが売っているくらいだからいつ食べてもいいのだと思えるようになった。とはいえ、甘納豆のお赤飯はなかなか売っていない。たまには自分で作ってみようと思い立つ。
 ささげのお赤飯となると豆を炊くところから始まるから時間がかかると思って諦めてしまうが、甘納豆版はとっても簡単。もち米を炊いて、あとからお豆を交ぜるだけ。北海道出身の志尾家の定番だ。しかし簡単なものほど奥が深い。シンプルだからこそ、素材と一手間が重要である。一文字屋さんの上等甘納豆という時点で素材はクリア、これをさらにおいしく美しく作るのが今回のテーマだ。
 若い頃は、蒸し器で炊かないとダメ、これがないとダメ、とできない理由を探してしまったが、年を取るとなんでもいいあんばいが上手になる。こんな時にしか使わない食紅だけはわざわざ買ってきたけれど、もち米をセットするのは炊飯器にした。
 甘納豆の食感が大事という母の秘訣(ひけつ)は、砂糖を落としたお豆さんを事前に乾燥させておくこと。以前私は食紅の量で大失敗したので今回は慎重に。色むらが出ないことを祈りつつ、後は待つだけ。塩加減と炊き上がったところに豆をなじませる蒸らし時間もまた重要。いつも思うが驚くほど簡単。だからこそ、小さなこだわりを最大限に楽しんでみる。
 上出来な仕上がりに大満足のぜいたくな食卓になった。
 (シネマテークたかさき総支配人)

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