総裁選「密室政治」やめて…党員投票求める署名に議員の3分の1超

2020年9月1日 06時00分
 安倍晋三首相の退陣に伴う自民党総裁選を巡り、中堅・若手を中心とする有志グループは31日、党員・党友投票の実施を求め、党所属国会議員の3分の1を超える145人分の署名を執行部に提出した。党員投票を省略する党の方針に対する反発は地方にも拡大。背景には、一部の有力者の主導で選んだ印象を与えれば「密室政治」と映り、国民の不信感が強まるとの危機感がある。(木谷孝洋、坂田奈央)

◆地方からも要望書相次ぐ

 「新型コロナウイルスで危機的な状況だからこそ、政策議論を十分に行い、幅広い信任を得たリーダーが必要だ」
 自民党の小林史明青年局長は、有志の7人で二階俊博幹事長に党員投票を求める署名を提出した後、記者団に力説した。署名は31日だけで集めた数で、国会議員とともに全国の地方議員や党員ら約400人も名を連ねた。
 このほか、党大阪府連や神奈川、滋賀、三重各県連なども同様の要望書を提出。党名古屋市議団の6人は直接、党本部で林幹雄幹事長代理に会い「党員を除外した総裁選となることは、自民党の国民からの信頼を著しく低下させる」と明記した書面を手渡した。

◆「総裁選で投票できるから党員に」と言ったのに…

 市議団の渡辺義郎団長は「黙っていると密室政治で決めてしまうことになりかねない。私たちは『総裁選で投票できるから党員になってください』と党員集めをしている」と執行部を批判した。
 小林氏によると、署名を受け取った二階氏は「もっともな意見だ。慎重に受け止めて検討したい」と応じたというが、執行部は党員投票を省略する方針を変えていない。党内には、安倍首相に批判的で、次期首相候補として世論調査で支持が高い石破茂元幹事長が有利にならないようにするためとの見方もある。

◆政治空白を懸念

 総裁が任期途中で欠けた場合、党員投票を省略した後任の選出が例外的に党則で認められているが、過去の総裁選で原則と逆転してきた事情もある。
 2000年以降に辞任したケースで党員投票が実施されたのは、09年の衆院選で民主党に大敗し、首相だった当時の麻生太郎総裁が退陣した後の一例だけにとどまる。こうした経緯もあり、自民党幹部は「党員投票はあるべきことだが、政治空白をもたらしてはならない」と理解を求める。

◆「たった1日で145人の署名の重みを」

 だが、署名活動に加わった山下貴司元法相は「執行部は、たった1日で145人分が集まった重みを感じてほしい。派閥単位の動きではない」と強調。村井英樹衆院議員は「今後も賛同者は増えていくだろう」と見通した。

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