旧原宿駅舎を見納め 村井美樹さん

2020年9月1日 07時06分
 初めて原宿駅を訪れたのは小学生の頃。当時大阪に住んでいた私にとって、おしゃれな街・原宿は憧れ。親に連れられてレトロな木造駅舎を見上げた時、胸が高鳴りました。大学で上京した後も何度も通い、青春の思い出が詰まった大好きな駅舎でした。今年3月、役目を新駅舎に譲り、8月25日からついに解体工事が開始。解体の数日前に旧駅舎=写真=の見納めをしてきました。
 1924年に建てられ、風見鶏のついた尖塔(せんとう)やハーフティンバー様式など、愛らしい欧風のデザインが特徴。お気に入りは鏡のような形にくりぬかれた3枚の木の板。跨線橋(こせんきょう)にも同じデザインがあるなど、随所に細やかな意匠が施されています。
 戦時下の45年には焼夷弾(しょういだん)を受けるも不発弾で、奇跡的に焼失を免れました。96年間、都内最古の木造駅舎として、原宿の変遷を見届けてきた生き証人がいなくなると思うと、何とも言えず寂しい気持ちになりました。
 解体後は耐火基準を満たした材料を使い、可能な限り旧駅舎を再現して、商業ビルと一体化した建物になるようです。皆から親しまれる趣深いものになるといいのですが。思い出の原宿旧駅舎を胸に、新たな建物を待つとしましょう。

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