関東大震災から97年、墨田区で法要 小池知事、朝鮮人虐殺に触れず

2020年9月2日 05時50分

コロナ禍で参列者を大幅に減らして営まれた関東大震災の慰霊法要=東京都墨田区(代表撮影)で


 1923年の関東大震災から97年となった1日、犠牲者の慰霊法要が、東京都墨田区の横網町公園の都慰霊堂で営まれ、遺族ら約30人が追悼の祈りを捧げた。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、参列者は例年の1割以下に。式典では、小池百合子都知事の追悼の辞を、武市敬副知事が代読。「東京は震災と戦災で二度焦土と化したが、その度に先人たちは困難を乗り越え、平和と繁栄を築いてきた。被災の記憶を決して風化させず、次の世代に語り継ぐ」と述べた。震災時に起きた朝鮮人虐殺については言及しなかった。
 参列した中央区月島の小久保富美子さん(76)は、震災で夫の親族らが亡くなった。「災害はいつ起きるか分からない。大きな犠牲を払って得た教訓を、子や孫たちに伝え続けたい」と話した。
 関東大震災では、相模湾を震源とするマグニチュード(M)7.9の地震で、約10万5000人が犠牲になった。横網町公園は当時、旧陸軍の被服廠跡地で、避難した約3万8000人が火災に巻き込まれ命を落とした。(小野沢健太)

◆虐殺された朝鮮人犠牲者追悼式も 都知事、今年も追悼文送らず

 関東大震災の際に虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典も1日、横網町公園で開かれた。新型コロナ感染予防のため一般の参加を中止。小池都知事は今年も追悼文を送らなかった。

関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼碑に献花する参列者=1日午後、東京都墨田区で

 日朝協会東京都連合会などでつくる実行委員会主催の式典に、実行委関係者ら約60人が参加し、インターネットで生中継された。宮川泰彦委員長は「朝鮮人虐殺を否定する流れがあるが、同じ過ちを繰り返さないためにも過去の事実から目をそむけてはいけない」とあいさつした。
 追悼の辞を述べた日本平和委員会の千坂純事務局長は「小池都知事は追悼文を拒否し続け、事実上、大虐殺を否定する潮流に手を貸している」と批判した。
 式典会場の近くでは、保守系団体「そよ風」などによる集会もあった。昨年は「犯人は不逞朝鮮人」などの発言があり、都は今年8月、これらの発言をヘイトスピーチに認定した。(砂上麻子)

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