三番瀬のプラごみ調査、官学で 船橋市と日大生産工学部が協定

2020年9月2日 07時12分

昨年10月、三番瀬で見つかったマイクロプラスチックごみ(日大生産工学部提供)

 船橋市沖の三番瀬一帯に漂着・漂流する微細な海洋プラスチックごみを調査するため、同市と日本大学生産工学部が一日、連携協定を締結した。今後は市内の河川や下水処理場の汚泥なども調べ、発生場所や原因を探る。ドローンによる空中撮影で分布状況も調べる。「海洋プラスチックごみを回収する方法は、まだ見つかっていない。東京湾などにどんどん蓄積している」と同大教授は警鐘を鳴らし、発生抑制策を検討することにしている。(保母哲)
 海洋プラスチックごみは海の汚染や生態系への悪影響につながるため、世界的な問題になっている。船橋市は昨年十月、三番瀬で実施したごみ拾い活動「ふなばし三番瀬クリーンアップ」で日大生産工学部と協力。実態調査をした。
 その調査では、ふなばし三番瀬海浜公園前の五カ所で、漂着した海洋プラスチックごみを採取。一平方メートル内にそれぞれ約二百〜約三百個が見つかった。球状の細かなプラスチック粒「レジンペレット」や発泡スチロールなどが含まれていた。
 協定締結式は市役所であり、松戸徹市長と日大生産工学部の清水正一学部長が「環境に関する連携協定」の書面にサイン。清水学部長は「この問題は地球規模の問題であり、船橋市と協力しながら調査に取り組みたい」、松戸市長も「市民一人一人が(排出抑制などの)努力を積み重ねることが、将来にわたる環境保全につながる」と話した。
 式に出席した西尾伸也教授は、千葉市・幕張の海岸で行った調査の内容を紹介。漂着したプラスチックごみの数は、調査のたびに異なったことから、「プラスチックごみは潮流や風、天候などの影響を受けながら、漂流と漂着を繰り返しているようだ」と説明した。
 船橋市と日大生産工学部は今後、干潟である三番瀬のほか、河川や二つの下水処理場で取水や汚泥の採取などを行い、プラスチックごみの量や種類を分析。発生を抑える方策などを共同で検討する。

海洋プラスチックごみの調査などを行うため、協定を結んだ松戸徹市長(右)と清水正一学部長=船橋市役所で

<海洋プラスチックごみ> 大きさが5ミリ以下だと「マイクロプラスチックごみ」と呼ばれる。大きく2種類に分けられ、身近なプラスチック製品を製造するための原料として使われる「一次マイクロプラスチック」と、流れ出たプラスチックが海で破損するなどして細かくなった「二次マイクロプラスチック」がある。生態系の悪化をはじめ漁業や観光、景観への影響、船舶航行の障害などが問題になっている。
 環境省の2019年版「環境白書」では、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算や、50年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるという試算があることを紹介。「世界全体の課題」とした。

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