横浜市予算 来年度970億円赤字見込み 市長「過去に例がない」

2020年9月3日 07時16分
 横浜市は、新型コロナウイルスで経済に深刻な影響が出ているとして、来年度の一般会計当初予算は例年の倍近い九百七十億円の赤字を見込んでいることを明らかにした。林文子市長は二日の定例記者会見で「過去に例がない。(事業の)無駄をそいでいかないといけない」と危機感をにじませた。 (丸山耀平)
 市によると、来年度の歳入は本年度当初比六百七十億円減の一兆六千七百三十億円の見通し。このうち市税収入は新型コロナの影響で法人市民税、個人市民税とも落ち込み、四百六十億円減の七千九百八十億円。歳出は例年通りの算出方法で一兆七千七百億円とした。
 副市長名で区や局の幹部に送った通知で、来年度の予算編成に当たり「前例を踏襲することなく、全事業においてゼロベースで見直しを進めてほしい」と呼び掛けた。
 一方で、林市長は、誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)や整備を目指すバレエ・オペラ公演を主体とした新たな劇場について「今の財政でできることをやっていく」と述べ、進める考えを示した。
 また、市は二〇六五年度までの長期財政見通しを初めて公表した。出生数や死亡数について三パターンを推計。出生数が少なく死亡数が多いパターンだと市税収入は二〇年度をピークに右肩下がりを続け、六五年度は同年度比千九百十億円減の六千五百二十七億円とした。

◆コロナ対策に1824億円

 県は二日、新型コロナウイルス対策費千八百二十四億円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を発表した。総額は千八百四十七億円で、補正予算としては過去最大。補正後の一般会計は二兆三千七十三億円となる。七日開会の県議会定例会に提案する。
 感染者を受け入れる病院への補助を続けるため千八十一億円を計上した。軽症者のための宿泊療養施設を千八百五十室に増やすため借り上げ費などに六十一億円を盛り込んだ。医療従事者への支援に五億四千三百万円を計上。院外薬局の薬剤師一人当たり三万円の独自の慰労金を支払う。
 経済対策では、「感染防止対策取組書」を掲げる県内店舗で、指定のQRコードで決済すると料金の20%分が還元される事業に七十五億円。来年二月に始め、還元額の上限は一人当たり四千円。観光振興策には、観光施設に入る前に混雑状況が分かるシステムの開発や、オンラインツアーの企画などの実証実験に五千四百万円を盛り込んだ。
 黒岩祐治知事は記者会見で「医療と経済、どちらも崩壊させない決意で補正予算案を組んだ」と述べた。 (志村彰太)

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