コロナでピンチ 世界コスプレサミット 来年は「リアル」復活を

2020年9月3日 07時18分

コスプレサミット開催への思いを語る小栗さん=名古屋市で

 アニメやゲームの登場人物に扮(ふん)した海外のコスプレーヤーが年に一度、名古屋に集う「世界コスプレサミット」(WCS)が、コロナ禍で存続のピンチに陥っている。スポンサーの多くが外出自粛の直撃を受けた観光や航空関係の企業で、運営費の確保が困難に。実行委員会はクラウドファンディングを活用し、草の根の支援を呼び掛けている。 (河郷丈史)
 元テレビ愛知プロデューサーで実行委員長の小栗徳丸さん(52)によると、各国代表の滞在費や会場設営費などで約三億円の運営費がかかるが、八割ほどがスポンサーの協賛金。インバウンドの取り込みへの期待から、スポンサーの多くが観光産業や航空会社だった。
 今年は新型コロナの影響で協賛の辞退が相次ぎ、スポンサー料は昨年の三割以下に。コロナの収束が見通せず、従来の形での開催を断念し、八月一、二日に初めてオンラインで開いた。

昨年、名古屋市で開かれたコスプレサミットでアニメなどのキャラクターに扮してポーズを取るコスプレーヤー

 二十四時間配信のプログラムを組み、ビデオ会議システムで各地のコスプレーヤーが交流したり、過去の映像を流したり。二日間で十三万人が視聴し、閉幕後の再生回数も合わせると、九月二日午前までに四十万人が閲覧した。
 小栗さんは「世界とつながっている感じを出せたが、世界中のコスプレーヤーが集うリアルの熱量はオンラインとは違う」。来年は本来のサミットの復活を目指し、八月一日からクラウドファンディングのサイト「Kickstarter(キックスターター)」で、八千万円を目標に協力の呼び掛けを始めた。
 十三日まで受け付けており、二日午前の段階で約三百万円が集まった。問い合わせは実行委=電052(962)2003=へ。

◆プロコスプレーヤー・コノミアキラさん語る「もう一度世界の仲間と」

コノミアキラさん

 復活を願う一人で、プロのコスプレーヤーとして世界的に活躍するコノミアキラさん=東京都=は「コスプレ、WCSのおかげで人生が変わった」と話す。
 北海道出身で、プロスキーヤーだった父親からスキーの英才教育を受け育った。五輪を目指し、特訓に打ち込んだ。本当は漫画やアニメが好きだったが、言い出せなかった。
 コスプレと出合ったのは中学一年のとき。同人誌の即売会で、ゲームの登場人物になりきる女性を見て、あこがれた。「好きなことを全身で表現して、かっこよかった。私は好きなことを好きと言えず、誰かが望む自分を演じていた」
 高校三年のときに練習で大けがをし、スキーを断念。自分の価値がなくなったと感じ、自殺も考えた。故郷を離れ、京都で大学生活を送っていた際に、友人の誘いでWCSに参加。メーク技術を駆使して多彩なキャラクターに変身、二〇〇七、一〇年のコスプレチャンピオンシップで日本代表に選ばれた。
 今では、各地でコスプレの方法を指導したり、審査員をしたりして海外に招かれるほどに。「WCSは世界中の仲間とふれあえる。またみんなで集まりたい」と協力を呼び掛ける。
<世界コスプレサミット(WCS)> 観客も含め30万人が参加する世界最大級のコスプレイベント。2003年にテレビ愛知の番組企画として始まり、12年にイベント会社が事業を引き継いだ。実行委には外務省や愛知県、名古屋市も入る。各国の予選を勝ち抜いた代表チームの世界一を決める「コスプレチャンピオンシップ」には昨年、40の国、地域が参加した。

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