自由自在、異世界の詩 マーサ・ナカムラさん最年少で朔太郎賞に 選考委員「若くて素晴らしい才能」

2020年9月3日 07時20分

マーサ・ ナカムラさん

 前橋市は2日、優れた現代詩を対象とした第28回萩原朔太郎賞(同市など主催)に、詩人のマーサ・ナカムラさん(29)の詩集「雨をよぶ灯台」を選んだと発表した。最年少の受賞。選考委員5人のうち3人が同市千代田町の前橋文学館で記者会見し、講評や選考過程を解説した。選考委員たちは「若くて素晴らしい才能」(詩人の建畠晢さん)などと高く評価した。(市川勘太郎)
 ナカムラさんは埼玉県に生まれ、早稲田大文化構想学部を卒業。在学中に詩に興味を持ったという。二〇一六年に現代詩手帖賞、一八年に詩集「狸(たぬき)の匣(はこ)」で中原中也賞を受賞した。
 選考では二作品に絞られた。詩人の佐々木幹郎さんは「詩を読むと年齢が分からない。戦争前の主人公が書いているような物語が、いつの間にかタヌキの話に変容する。初めて自由自在な物語を書ける才能に出会った」と称賛した。
 詩人の吉増剛造さんは「感受性や才能、感性が通用しない。見たことも聞いたこともない異世界。彗星(すいせい)のようなと言うのにふさわしく、これまでにない詩の幕の中に入ったような感覚だ」と見解を述べた。
 ナカムラさんは「受賞を受け、ただただ驚いております。諸先輩方から激励をいただいた気持ちです。これからも詩の道を自由に楽しみながら精進します」とコメントを寄せた。
 選考委員は予備選考をする推薦委員会で選ばれた五つの作品を審査した。副賞は百万円。贈呈式は十月三十一日、同館で予定する。

記者会見する3人の選考委員=前橋市で


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