ようやく見えた建屋地下の床 東京電力福島第一原発で進む汚染水処理

2020年9月3日 09時54分
 東京電力福島第一原発で、長らく事故収束作業の現場を苦しめてきた高濃度汚染水問題。注水による原子炉冷却が続く限り、汚染水の発生も続く。しかし、1~4号機周りの地下水を減らし、建屋内の汚染水処理を進めた結果、ようやくタービン建屋などにたまる汚染水がほぼなくなり、地下階の床が見えてきた。現状を報告する。 (山川剛史)

東京電力福島第一原発の各号機における高濃度汚染水のたまり具合

◆津波で水没 当初、建屋地下は3~4メートルも水位

 東日本大震災の大津波で、福島第一の建屋地下には津波による海水がたまり、電源盤や非常用発電機などは水没した。炉心溶融で原子炉が損傷した後は、冷却のため注入された水が高濃度汚染水となって地下に流れ込み続けている。
 2011年当時、たまった汚染水は計約10万トンで、地下階は3~4メートルの水位があった。
 配管の貫通部などから地下水が建屋に流入し、汚染水の水かさを増やすため、汚染水量はなかなか減らなかった。

◆ようやく汚染水は減少 されど難題は原子炉建屋

 しかし、2014年以降、上流側の井戸や建屋周りの井戸から地下水をくみ上げたり、敷地を徹底的に舗装するなどの対策を取った。大穴が開いていた3号機タービン建屋にはカバーも設置された。

3号機タービン建屋にかけられた雨水流入を防ぐカバー

 炉心が冷えてきたことで注水量も減らし、グラフ(下)の通り、汚染水量は急速に減った。今年に入り、事故を起こした1~4号機のタービン建屋や隣接の建屋でほぼ汚染水がなくなった。9月に常設の排水ポンプが稼働すれば、安定的に汚染水のない状態が維持できるようになる見通しだ。
 ただ、10年近くも汚染水に漬かっていたことで、放射線量は非常に高い。作業員が近づける目安の毎時100ミリシーベルトを超える地点がいくつも確認されている。
 原子炉への注水が続く中で、原子炉建屋や汚染水を一時貯蔵する建屋の水抜きをどう進めるのか、具体的なことは決まっていない。

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