高齢者、障害者施設でのPCR検査費用を都が支援 15万人想定、補正予算案30億円計上 

2020年9月4日 05時55分

 東京都は3日、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、高齢者や障害者の入所施設を対象に、PCR検査などの費用を支援すると発表した。集団感染のリスクを避ける狙いで、入所者や入所予定者のほか介護や調理、送迎といった職員など計約15万人の検査を想定。関連経費約30億円を、総額3413億円の本年度補正予算案に盛り込んだ。18日開会の都議会定例会に提出する。 

 高齢者施設などでPCR検査をする取り組みは、千代田区が始めており世田谷区なども実施決定。都医師会も7月、入所者の事前検査などを提言していた。都が支援に乗り出すことで、高リスクとされる施設の検査が進みそうだ。
 対象になるのは、都内の広域型特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの約750カ所と、障害者支援施設の約100カ所。いずれも感染すれば、重症化するリスクが高い人が入所している。都の制度を活用すれば、従来は2万円以上かかるとされる症状のない人などの保険適用外のPCR検査が、自己負担なく受けられる。
 都は施設の規模ごとに110万~1064万円を上限に支援する予定で、検査の種類や回数、対象者などは施設側が自由に決められる。感染防止対策の設備購入など、検査費用以外の用途でも使える。都の担当者は「入所者、職員ともぜひ検査を受けて、不安をなくしてほしい」としている。
 補正予算案ではほかに、今後のインフルエンザの同時流行も見据え、高齢者300万人を対象に予防接種の自己負担分(上限2500円)を、区市町村を通じて全額補助する事業費(75億円)も計上した。 (小倉貞俊)

◆「新規感染者、減少傾向だが速度は緩やか」都モニタリング会議

 新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議は3日、都内の感染状況について「新規陽性者数が依然高い水準で推移している」として、8週連続で警戒度を最も深刻な「感染が拡大している」とした。医療提供体制は重症者数の推移に警戒が必要として、2番目に深刻な「体制強化が必要」を維持した。
 都医師会の猪口正孝副会長は、新規陽性者数などについて「減少傾向にあるが、その速度は緩やか」と指摘。再増加に厳重な警戒が必要との見方を示した。

◆家庭内感染が大幅増…7月19%→8月は35%

 会議では、感染経路判明者のうち家庭内感染の人の割合が、7月は19%だったのに対し、8月は35%と大幅に増えたことなども報告された。都内の感染者は7月上旬ごろまで、接待を伴う飲食店の従業員や客など「夜の繁華街」関連が目立っていた。80代以上では施設内感染の割合が高く、8月31日までの1週間では56%に上った。
 猪口副会長は「家族以外との交流で基本的な対策を徹底し、家庭内に感染を持ち込まないことが重要。高齢者施設などに対しては、無症状者も含めた集中的なPCR検査など戦略を検討する必要がある」と指摘した。
 一方、警戒度の表記について「感染の再拡大に警戒(注意)が必要」などを加えた。これまで「拡大しつつある」など増加を前提とした表現のみだった。今後、縮小方向に向かって警戒度を下げる場合に備えた措置。 (岡本太)

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