派閥間で激しい主導権争い 菅氏陣営、人事見据え「古い政治」復活

2020年9月4日 05時50分

共同記者会見する3派閥の会長。(左から)麻生太郎氏、細田博之氏、竹下亘氏=2日、国会で


 自民党総裁選は3日、主要派閥がそろって支援する菅義偉官房長官の陣営で、次期政権での人事などを見据えた主導権争いが激しくなった。菅氏は無派閥だが、周囲では派閥の数の力が幅を利かせ、「古い政治」の復活をうかがわせた。
 菅氏の陣営は3日、合同選挙対策本部の本部長に無派閥の小此木八郎・元国家公安委員長、副本部長に菅氏支持の5派閥の幹部らを充てる人事を決定した。
 細田、麻生、竹下の主要3派会長による2日の支持表明会見は、菅氏擁立を主導した二階派の「排除」と受け止められた。このため陣営の選対人事は、5派の幹部に役職上の序列をつけないことであつれきを回避した。
 菅氏と初当選同期で竹下派の山口泰明衆院議員は記者団に「一致結束」を強調した。だが陣営内では「二階氏らは勝手に動いている」(閣僚経験者)と不満は消えていない。
 陣営内で各派による主導権争いが起こっているのは、総裁選後に党役員人事・組閣で有力ポストを多く確保したいとの思惑があるからだ。
 石破茂元幹事長は3日、自派会合で「政治なんて一部の人たちで決めるものだ、政治家は自分たちの利害しか考えていない、という思いを国民が持ったら、民主主義は根底から崩れる」と危機感を示した。(生島章弘、木谷孝洋)

◆非主流派恐れ菅氏支援、政策不在と批判も 一橋大・中北教授

 自民党政治に詳しい一橋大の中北浩爾こうじ教授に今回の派閥の動きについて聞いた。
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 多くの派閥が菅氏支持に流れたのは、主流派に入らないと生き残れず、グループの求心力を保てなくなるからだ。総裁の権力のおこぼれにあずかろうというのが実態。安倍政権になって派閥は息を吹き返しているが、力は弱くなっている。
 衆院選が中選挙区制だった時代は、派閥が候補者を立て、自前で資金を集める力も、閣僚ポストへの強い影響力もあった。だが、小選挙区制が導入され、政治資金も党に集中するようになったことで、総裁の力が強まり、相対的に派閥の存在感は低くなった。
 派閥は政策集団を自称するが、実際は人間関係でつながっている。今回も政策とは全く関係ないところで動いている。国民から見れば、政策不在との批判は免れないだろう。

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