米国人写真家が写した 性的マイノリティーの人々 国、文化、年齢超え「抱きしめる」 浅草のギャラリーで企画展

2020年9月4日 06時43分

展示されている作品「ブルーの母親、ジェス」(ギャラリー・エフ提供)

 性的マイノリティーのポートレートを撮り続ける米国人写真家、ポーレ・サヴィアーノさん(46)の写真展「Embrace(エンブレイス)」が、浅草の「ギャラリー・エフ」(台東区雷門二)で開かれている。伝統的な分類に当てはまらない人々が、いかに一つの国や文化、年齢層を超えて存在しているかを示している。十月二十五日まで。 (井上幸一)
 ポーレさんが写してきたのは、身体の性と心の性が一致しないトランスジェンダー、自身を男性、女性のどちらかに限定しないノンバイナリージェンダーの人々ら。
 二〇一六年から、米国、オランダ、チェコ、スコットランドで撮影した。タイトルのEmbraceは、「抱きしめる」という意味で、全ての人々をどんな違いがあっても受け入れる思いが込められている。
 江戸時代の土蔵を利用したギャラリーには三十点を展示。作品の横には、「男の子を装って生き続けなければならなかったら、人生は終わっていたでしょうね」(レイヴェン)、「私はずっと女の子でしたよ」(リン)、「私はただ、なりたい自分になりたいだけ」(ニルス)、「母と祖母はトランスジェンダーの人々への見方を変えました。私がいたからです」(ライリー)など、ポーレさんが取材したそれぞれの言葉が添えられている。

今年6月、ニューヨークの街頭に立つポーレ・サヴィアーノさん。コロナ禍で来日はかなわなかった(ギャラリー・エフ提供)

 新型コロナウイルスの影響で来日が難しくなったポーレさんは、「トランスジェンダー、ジェンダーが適合しない人々には本当に多様なアイデンティティーがあり、その経験もさまざま」とのメッセージを会場に寄せている。
 ポーレさんは「コロナが収束したら日本を訪れ、日本人の写真を撮りたい」と話しているという。写真展の会場にいた展示の翻訳協力者の一人は、「日本ではトランスジェンダー自体が一部にしか認識されていない。ありのままを受け入れてくれる社会になれば」と期待していた。
 入場無料。火曜休廊。正午〜午後六時。問い合わせは、ギャラリー・エフ=電03(3841)0442=へ。

さまざまなポートレートが展示されている会場=台東区で


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