データは怖い/ボツの理由/テック女子

2020年9月4日 07時48分

小嶋麻友美(43歳)デジタル編集部

◆データは怖い

 八月に発足したデジタル編集部の仕事は、ウェブ版の東京新聞で記事を配信すること。速報や紙面で載りきらない長い記事、動画、動くグラフなど多彩な方法でニュースを伝えている。
 送り手と読み手の双方向性もウェブの利点だ。どの記事を何人が、どの部分まで、どれだけの時間をかけて読んだのか、いろんなデータが浮き彫りになる。パソコンの画面で、リアルタイムで動く数字の先に、記事を読む人の姿を想像する。
 反響をじかに見て取れるのは面白いが、同時に怖い。自分が書いた記事への反応も一目瞭然。ジャーナリズムは数字がすべてではないけれど、記者が数字に無頓着すぎたことも読者離れの一因と思っている。まずは現実を知り、読者を知ることから。

◆ボツの理由

 日本で最もニュースが読まれているプラットフォーム・ヤフーと新聞社の関係を取材した。記事の中で、自社の話も詳しく書くか、最後まで迷った。
 東京新聞はヤフーニュースに記事を提供していない。なぜなのか。「取材」として担当幹部に尋ねると、一ページビュー当たり〇・〇二五円という記事の対価の低さを挙げ、「こちらが主導権を持って『適正な価格』を交渉できるなら、記事を出す可能性もある」と説明する。
 ヤフーに頼らない未来を新聞社は描くべきだけれど、テクノロジーを駆使して強大化するプラットフォームに、どうしたら主導権を握れるのだろう。答えの見えないこの問いは原稿では「ボツ」にして、今も考え続けている。

◆テック女子

 デジタル熱が高じて今春、プログラミング学校に通い始めた。プログラミングとは、独自の言語でコードを書いて、コンピューターに動きを指令すること。ウェブサービスやアプリの開発も自在にできる。
 毎週の課題と卒業制作で、平日は深夜まで、休日も一日中キーボードをたたく。エラー続きで泣きたくなるが、思ったとおりにコンピューターが動いた時の快感はたまらない。
 テック業界に女性を増やそうという機運が高まっている。四十代でも女性でも、プログラミングは楽しめると伝えたくて、ウェブで連載を始める予定だ。
<こじま・まゆみ> 愛知県出身。1999年入社。手羽先唐揚げは、小学生のころから「風来坊」派。30代から始めた登山では、ロンドン特派員時代にイングランド最高峰に登頂を果たした(標高978メートル)。

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