<法律お助け隊 滝沢香弁護士>亡き兄の残債 母に支払い請求

2020年9月5日 07時15分
<お悩み> 兄の事業のために銀行が抵当権を設定していた母名義の自宅が3年前、競売で売却されました。母は私と同居しています。先月兄が亡くなると、銀行から債権譲渡されたという債権回収会社から、母へ支払い請求がきました。競売で終わったと思っていたので驚いています。(神奈川県・女性49歳)

◆債務保証の有無 確認を

<お答え> 競売では、抵当権者(債権者)の申し立てによって、裁判所が担保となった不動産の売却手続きを行います。裁判所は審査を経て売却基準価額を設定。入札期間内に最も高い価格の買い受け入札をした者が購入できます。
 裁判所は納められた代金を、競売の手続き費用、届け出のあった債権者の債権額や順位に応じて分配します。抵当権者への配分額が債権額より少なければ、債権者は債務者に対して残金を請求することができます。
 もし、お母さまが、お兄さまのために自宅不動産に抵当権を設定しただけならば、お母さまの責任は競売で終わりです。しかし、競売を経ても債務が残った場合、お兄さまの支払い義務は継続します。お兄さまが残債務を支払っていたか不明のようですが、残債務があれば相続人が引き継ぐことになります。
 お兄さまに配偶者や子どもがいなかったようなので、お母さまはお兄さまの相続人となり、債務も相続します。ただし、お兄さまの死亡後三カ月以内であれば相続放棄ができます。家庭裁判所に手続きをとることを検討してください。
 ただ、お母さまが不動産を抵当に出すだけでなく、お兄さまの債務の保証人になっていた可能性もあります。その場合、お母さまの固有の債務となり、相続放棄しても、お母さまに支払い義務が残ります。
 お兄さまの借入金の契約書類を銀行から取り寄せ、確認したほうがいいかもしれません。お母さま自ら債務の保証人の署名押印をされていた場合、支払いをめぐり、対応策について検討が必要になります。弁護士などに相談をなさったほうがよいでしょう。

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