<コロナと生きる@いばらき>「アマビエちゃん」義務化条例案を県提案 飲食店や客「取り組み広がる」「利用限られる」

2020年9月5日 07時35分

森田敏生さんの店舗に掲示されている「感染防止対策宣誓書」=水戸市泉町3で

 県は四日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした県独自のシステム「いばらきアマビエちゃん」の登録や利用を義務化する条例案を県議会に提案した。アマビエちゃんの実効性を高める狙いで、飲食店や客からは「取り組みが広がる」と評価する声が上がる一方、「利用する人は限られる」といった冷めた見方も出ている。(松村真一郎、宮尾幹成)
 水戸市の水戸駅近くのカレー店で三日正午ごろ、昼食を取った東海村の主婦(45)は、飲食店やショッピングモール、図書館などアマビエちゃんに登録している施設を訪れた際は利用するようにしている。
 「感染経路の判明に役立つので、協力するようにしている」と話し、条例化を「取り組みが広がるのでいい」と評価する。
 「アマビエちゃん」は、一定水準の感染対策を取った飲食店などの登録事業所が掲示する「感染防止対策宣誓書」のQRコードを利用客が読み取り、メールアドレスを登録すると、同じ日にその事業所で感染者が出た際に通知が届くシステム。条例案では、県の指導にもかかわらず登録に応じない事業者名を公表でき、県民にも利用を義務付けるが、罰則規定はない。
 県によると、四日現在で二万三千五百四十九事業所が登録し、開始から延べ約二十万三千件の利用があった。これまでに五十九件に通知している。
 ただ、県民の利用が浸透しているとは言い難い。水戸駅近くのゲームセンターから出てきた石岡市の男性会社員(24)は、二、三週間前に訪れた飲食店で一度は利用したものの、その後は登録店舗に行ってもやらなくなった。
 この日も、ゲームセンターには、宣誓書は掲示されていたが素通りした。「みんなやっていないので、意味がないかなと思って」と理由を語る。条例で罰則規定はないため、「条例化されてもたぶんやらないと思う」と話した。
 登録している飲食店の反応も芳しくない。水戸市泉町三で居酒屋を営む森田敏生さん(44)は七月中旬から、宣誓書を店舗の入り口や各席に掲示し、客に利用をお願いしているものの、利用する客は「一割にも満たない」という。
 条例で利用が義務化されても、強制力はないため、「結局はお客さんの任意になってしまい、現状と変わらないのでは」と首をかしげた。
     ◇
 県議会九月定例会が四日開会し、「アマビエちゃん」の条例案のほか、追加の新型コロナウイルス対策費などを盛り込んだ百九十五億五千万円の本年度一般会計補正予算案など、二十四議案が提案された。会期は十月一日までの二十八日間。代表質問は九日と十日に、一般質問は十一日と十四〜十六日にある。

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