<コロナと生きる@いばらき>ラジオ体操、住民つなぎ10年 取手・みどりの会2度目の表彰

2020年9月6日 07時12分

10年間ラジオ体操を続けている(左から)本田久子さん、室津百合蔵さん、三留富貴子さん=いずれも取手市宮和田で

 マンション住民に声を掛け十年間、毎朝、ラジオ体操を続ける取手市の自治会グループがある。かんぽ生命の「ラジオ体操優良団体等表彰」で二〇一二年度の県表彰に続き、本年度、県内で唯一、ひとつ上の地方表彰を受賞した。「新型コロナウイルスで、かえって参加者が増えたよ」。メンバーからはコロナ禍をものともしない元気な声が返ってきた。(林容史)
 グループは、取手市宮和田の「グリーンコーポ藤代」の入居者でつくる「みどりの会」。八月三十一日、会代表の室津百合蔵さん(75)、本田久子さん(72)、三留富貴子さん(70)の三人が市役所を訪れ、藤井信吾市長に受賞を報告した。
 グリーンコーポ藤代は一九八一年末に入居が始まった。現在、三棟に計四百十一世帯が暮らす。近年、少子高齢化で子ども会が解散、住民の孤独死も懸念された。「高齢者を中心にした明るいまちづくりができないか」。自治会で話し合った結果、二〇一〇年、コミュニティーの再構築を目的に有志で会を結成した。
 その年の夏休み、「五日間でいいから、子どもたちのためラジオ体操をしてほしい」とお母さんに頼まれた。「じゃあ、やってやろうか」ともろ肌脱いで立ち上がり、結局、夏休み期間中を通して実践し、それが今も続いている。

夏休みのラジオ体操の様子=みどりの会提供

 午前六時半、マンションの敷地内にある広場に住民たちが集まってくる。正月でもお盆でも、雨さえ降らなければ、みんなで輪になってラジオ体操をする。一一年三月十一日の東日本大震災の翌日も、余震を恐れて集会所に避難した高齢者を除き、敢行した。
 普段の参加者は四十人前後だが、夏休みには就学前の子どもから高齢者まで、百人以上でラジオ体操をしたこともあったという。
 そんな日常は、新型コロナでも変わらなかった。室津さんは「風が流れているし、お互い距離をとり、十分間だけだから」と感染防止について説明する。
 在宅勤務で一日中、椅子に座りっぱなしだった女性が「どうにかなりそう」と表に出てきて、体操をして「今日も一日が始まる」と仕事に戻っていった。
 夏休みには子どもと一緒に若いお父さんが参加し、マンションに遊びに来た孫と一緒におじいちゃん、おばあちゃんも輪に加わった。
 三留さんは「高齢者は部屋にこもってしまうと、会話もなくなってしまう。『おはよう』と言うだけで生活に張りが出て、規則正しい生活が送れる」と効果を話す。
 会ではラジオ体操以外にも、住民が集い、お茶を飲んだり歌ったりする「グリーンコミュニティー」、子どもたちのクリスマス会やハロウィーンパーティーなど多彩な催しを開いている。しかし、コロナで大勢の人が集まる活動はできなくなった。
 本田さんは、住民に「まだできないの」と聞かれ、胸を痛める。「せめてラジオ体操だけでも毎日、続けて健康を維持してほしい」と願う。
 室津さんは「コミュニティーこそ、われわれの世界なんです」と力を込めた。

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧