前橋空襲 来年で75年 戦争資料、次世代に

2019年11月28日 02時00分

戦争に関する資料の収集・展示について議論する委員ら=前橋市役所で

 1945年の終戦と前橋空襲から来年で75年を迎えるのを前に前橋市は26日、「前橋空襲を語り継ぎ、平和資料を収集展示の形の検討会」を設立し、初会議を市役所で開いた。関係者から意見を聞き戦争に関する市内の資料を集める方法を明らかにし、来年12月には市長に提言する予定。 (市川勘太郎)
 本紙で「群馬学講座」を連載している前橋学センター長の手島仁さんが座長を務める。委員は「前橋市に“平和資料館”設立をめざす会」など市内九団体の代表者や市役所の担当者など二十二人。会議は八回の予定。先進事例として来年五~六月に二カ所の視察を予定している。候補には新潟県長岡市、水戸市、太田市などが挙がっている。
 検討会の設立趣旨は、戦争体験者が高齢化したり減少したりする中で「戦争は体験者が語るというあり方から新たな方法」が求められているとして、資料を収集展示する形に結論を出す必要があるとした。
 初会議で手島座長は「市民の目線で前橋空襲を考え郷土から学ぶ視点が大切。皆さんの英知と経験を集め後世に恥じないものを残したい」と述べた。参加者紹介の後、来年十二月までの予定を確認した。
 空襲などの資料を保管する同市住吉町の「あたご歴史資料館」は後継者と財源不足で来年三月に閉館することが決まっている。同館の展示品や収蔵資料は閉館後、市が引き継ぐ。
 会議に参加した前橋空襲体験者で同館学芸員の原田恒弘さん(81)は「世代交代の時期だ」と指摘。「平和と命の尊さを私たちの町から発信しようと仲間とともに資料館を設立した。貴重な資料と平和を願う思いを次の世代に受け継いでほしい」と話した。第二回会議は二月~三月ごろ同市役所で開催する予定。
 前橋空襲は四五年八月五日夜、米軍機が投下した七百トンを超える爆弾により死者は六百人近く、被災者は六万人以上とされる。

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