<財政検証>県債残高 24年度末は1兆3505億円 今後5年も厳しい状況

2019年11月29日 02時00分
 県の借金である県債残高は二〇二四年度末で、過去最高の一兆三千五百五億円に上る推計が、県の中期財政見通しを基にした試算で分かった。現在の県民一人当たりでは、約七十万円を負担する計算となる。県財政課は「将来的に県債の返済に予算が割かれ、医療・福祉、教育・子育て、社会基盤など県民サービスに使える予算が減少する恐れがある」と危機感を示している。 (菅原洋)
 県債残高はここ数年に過去最高を更新し続け、今後の五年間でもこのペースに歯止めがかからない、厳しい財政状況の見込み。
 県債残高の増加はこれまで財政難の国が、地方交付税を支給できずに県債を発行してもらい、後に充当する「臨時財政対策債」(臨財債)が要因だった。
 国は臨財債の返済費用をひねり出すために新たに借金を抱え、最終的に国民の借金として県民に負担が回ってくる可能性が高い。
 ただ、今後の五年間では、各年度末の県債残高は臨財債の増加より臨財債以外の公共事業などに使う県債の増加が上回る見通し。
 県債残高が増える背景には、臨財債を含む地方交付税は国が財政難のために減少傾向にあり、県税収入も伸び悩む中、県が財源不足に陥っている実態がある。

厳しい財政状況が続く県庁の本庁舎=前橋市で

 県は財源不足にもかかわらず、本年度当初予算の公共事業費・投資的経費を、千二百七十億円(前年度同期比百五十九億円増)と過去十年で最高額に膨らませた。防災・減災対策や、高崎市の高崎競馬場跡地に建設中の集客施設「Gメッセ群馬」などが要因だ。
 他の歳出では、少子高齢化社会の進行に伴い、社会保障関係経費が過去最高を更新し続けている。
 県財政課は県債残高の試算について「現状の歳出水準を前提に推計しており、今後の経済情勢や国の制度・予算の動向により、数値は大きく変動する可能性はある」と説明している。
 県は中期財政見通しで、今後の五年間は毎年約二百億円の財源不足を予測。このため、積立基金を毎年百十数億円取り崩し、追加で毎年七十億~九十億円程度の県債を発行しても、当初予算編成後の基金残高は、二〇二〇年度から五年間は毎年なくなる深刻な見通しを示している。
 同課は「基金がなくなれば、大規模災害が起きた場合に対応し切れない。行財政改革で財政の健全性を確保したい」と話している。

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