榛名湖畔に創作拠点 旧湖畔亭を改装 高崎市、あす条例案を提出

2019年11月27日 02時00分

アーティストの宿泊所兼アトリエに予定される旧湖畔亭。榛名富士(奥)を望む榛名湖畔に立つ=高崎市で

 高崎市は、芸術家が地域に滞在して創作活動を展開するアーティスト・イン・レジデンスの拠点を榛名湖畔に設置することを決め、関連の条例案を28日開会の市議会定例会に提出する。歌謡曲「湖畔の宿」のモデルとなった「湖畔亭」(同市榛名湖町)を改修して宿泊所や工房として活用。国内外から芸術家を受け入れて創作活動や発表などを支援し、新たな魅力で榛名湖周辺の活性化につなげる考えだ。 (石井宏昌)
 湖畔亭は一八八七(明治二十)年に旅館を開業。一九四〇(昭和十五)年に高峰三枝子さんが歌ってヒットした「湖畔の宿」のモデルとして知られる老舗だが、今年八月に閉館。現在の建物は六八年に建築された四階建てで、所有者が九月に市に寄付した。
 榛名湖周辺は古くから画家の竹久夢二(一八八四~一九三四年)ら芸術家や文人に愛された地。日仏で活躍した洋画家藤田嗣治(一八八六~一九六八年)も渡仏前に榛名湖畔で風景画を描いている。寄付を受け、市はこうした歴史を踏まえ、芸術家らに創作の場を提供するとともに、地域の魅力を高めようと企画した。
 建物は土産物等の店舗部分をアトリエに改装して、客室を宿泊用に生かす。年度内の工事完了を目指す。条例案では名称を「榛名湖アーティスト・レジデンス」とし、使用料は個人が一カ月二万円(基準額)、団体(五人以上)は一日五千円に設定。条例案可決後、アーティスト・イン・レジデンス関連のウェブサイトなどを通じて参加を募り、来春以降に受け入れ開始できるよう準備を進める。
 市によると、アーティスト・イン・レジデンスについて県内の自治体では前橋市が市立美術館の「アーツ前橋」を中心に、中之条町では国際芸術祭「中之条ビエンナーレ」と連携して取り組んでいる。
 市榛名支所産業観光課の担当者は「創作意欲が湧くような環境を提供し、生み出される作品を通じて榛名湖周辺の魅力を発信していければ。アーティストの意向を踏まえた上で活動の発表や地域交流の機会があれば支援したい」と話していた。

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