コロナ特措法改正やPCR検査拡充訴え 都医師会・尾崎治夫会長

2020年9月8日 05時50分

新型コロナへの今後の対応などについて語る東京都医師会の尾崎治夫会長

◆コロナとインフルエンザの流行にどう備える?

 6月以降に感染が広がった新型コロナウイルス「第2波」のピークは越えたとされるが、今冬には、季節性インフルエンザとの同時流行が懸念される。どう備えるべきか。来週にも発足する次期政権に求められることは―。東京都医師会の尾崎治夫会長(68)は本紙の取材に対し、新型コロナ対策の特別措置法の改正や、PCR検査の拡充を急ぐべきだと訴える。(藤川大樹、松尾博史)

◆患者を振り分ける体制づくり

 尾崎氏は、都医師会としての今冬への備えを、2点挙げた。まずは、診察に来た患者を、新型コロナとインフルエンザ、そのほかの病気に速やかに振り分ける体制づくり。都医師会は、PCR検査が受けられる医療機関を1400カ所まで増やす方針を打ち出し、ほぼ目標に達しているという。

◆「自己完結型PCR検査機器」の配備

 2点目は、都内で約250に上る2次救急病院への「自己完結型PCR検査機器」の配備だ。採取した検体を検査機関に運ぶ手間が省け、数時間で新型コロナ感染の有無を判別することができる。感染者がいた場合にいち早く対策を打てるため、院内感染の防止に役立つ。
 一方、高齢者らには「インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種をお願いしたい」とする。インフルエンザや新型コロナが原因ではない肺炎患者を減らすことができれば、医師らの負担は軽減される。肺炎球菌ワクチンは一度の接種で5年以上、効果が続くという。

◆休業要請に法的拘束力を

 国に対しては、特措法を改正して休業要請に法的な拘束力を持たせることを要望する。第2波は、ホストクラブといった接待を伴う飲食店を多く抱える東京・歌舞伎町など「夜の繁華街」を中心に、東京から全国に広がっていったとされ、「早期にピンポイントの休業要請をかけるべきだった」と振り返る。
 今回の場合であれば、早い段階で感染者が増えていた歌舞伎町の一部エリアに、補償を付けて10日間ほどの休業要請が必要だった、と指摘する。「10日ぐらい休めば、基本的には感染力はなくなる。その間に、従業員らのPCR検査もできる。燃えさかる前に消火する。早くたたくべきです」
 こうした対応は、経済対策にもつながる。「感染者がだらだら増えると、みんな心配して動かなくなる。個人消費もなくなる。そうじゃなく、バーンとたたけば、国民も安心しますよ」

◆PCR検査の拡充不可欠

 また、経済活動と感染防止を両立させるためには、PCR検査の拡充も不可欠だと訴える。PCR検査は精度に課題があるが、「ある程度感染していないことを証明できる方法で、社会を動かしていく」。検査が増えれば、無症状の陽性者が増えることが予想されるため、宿泊療養だけではなく、自宅療養も、しっかりとした運用指針を作った上で、積極的に取り入れていくべきだという。

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