「重大な副作用か」英社開発中ワクチン、日本でも治験中断

2020年9月9日 18時36分

英製薬大手アストラゼネカのロゴ(ロイター=共同)

 英製薬大手アストラゼネカなどが開発している新型コロナウイルスのワクチンで深刻な副作用が疑われる事例が発生し、米国での治験が一時中断された問題で、厚生労働省は9日、日本での治験も中断されたと同社から報告を受けたことを明らかにした。

◆日本に1億2千万回分供給予定

 このワクチンは世界で最も開発が先行していたワクチンの一つ。日本は1億2千万回分の供給を受けることで合意している。副作用の内容や供給計画に影響が出ないかどうかなど、厚労省は企業から詳細な情報を収集している。
 同社が開発を進めているのは新型コロナウイルスの遺伝情報の運び役にアデノウイルスを用いるウイルスベクターワクチン。
 因果関係は明確ではないが、米紙ニューヨーク・タイムズは関係者の話として、英国でワクチン接種後に被験者が神経障害の一種の横断性脊髄炎と診断されたと報じた。
 7月に発表された論文では、治験の中間結果として、痛みや頭痛、発熱、悪寒などの副作用は確認されたが、深刻なものはなかったとしていた。

◆以前から副作用指摘

 ワクチンと副作用に詳しい北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は「詳しい情報が得られていないので評価はできない」とした上で、「中断ということは重大な副反応が出た可能性がある。開発は安全性の確認というステップをきちんと踏んで進めないといけない」と話している。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会もワクチンは投与後に免疫が過剰に働く「抗体依存性増強」などの重い副作用が起こりうると以前から指摘しており、国内でも慎重に安全性を確認していくことが求められる。(共同)

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