脱えこひいき フェアな社会へ「グレートリセット」を 石破氏

2020年9月10日 05時50分
<異論点検 安倍政治 2つの党首選から ~ 石破氏編>
 「森友、加計、桜…。どの世論調査でも、納得したという人が非常に少ない。『えこひいき』があったらいかん」
 辞意表明した安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が告示された8日、これが4度目の総裁選挑戦となる石破茂元幹事長(63)は、すがよしひで官房長官(71)や岸田文雄政調会長(63)とともに臨んだ立候補者の共同記者会見で、安倍政治に明快な「ダメ出し」をしてみせた。

◆闇の部分に正論ずばり

 7年8カ月と長期にわたった第2次安倍政権は、後半になって森友学園、加計学園、桜を見る会と、安倍首相やその周辺に近い人物に便宜を図ったとされる疑惑が相次いだ。石破氏は「政府が特定の人だけが利益を受けることをやっていいはずがない」と指摘。政権の闇の部分にも遠慮なく正論をぶつけている。
 9日は埼玉県ふじみ野市の幼稚園を訪れ、集まった地域住民を前にして、安倍首相の妻昭恵氏が名誉校長に就いていた森友学園への国有地売却問題に触れ、自殺に追い込まれた財務省職員を悼んだ。「これはおかしいと言い続け、でも誰も聞いてくれず、命を落とした財務省の人がいる、あの人に居場所はあったのだろうか」

◆「国会を公正に、政府を謙虚に」

 党内野党的な立場にいる石破氏が今回の総裁選で掲げるのは、ずばり「えこひいき」のない社会だ。
 「ひとりひとりの居場所がある社会を作りたい」と公平性や多様性を重視。安倍政治のひずみをあぶり出し、社会や政治のあり方を根本的に作り直す「グレートリセット」が必要と唱える。スローガンは「納得と共感」にした。
 会見や演説でしばしば引き合いに出すのは、自民が野党時代だった2010年に政調会長としてまとめた党綱領の一節だ。「多様な組織と対話・調整し、国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる」とした。安倍政権では、野党から憲法に基づき臨時国会召集を求められても応じないなど「国会軽視」が目立ったことを踏まえ、綱領にのっとった党運営を訴える。

◆違いくっきりと

 基本政策集「石破ビジョン」では、女性、若者、高齢者にフェアな社会の実現を明記。保守層の支持が厚い自民党内では慎重論が多い同性婚に関連し、会見で「LGBT(性的少数者)によって差別される社会であるべきだとは全く思っていない」とも踏み込んだ。女系天皇や夫婦別姓も容認するなど安倍政権との違いを意識的に出している。(山口哲人)
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 自民党総裁選と野党合流新党の代表選が同時並行で行われている。総裁選では「安倍政治」を引き継ぐ菅氏の優勢が伝えられる。候補者たちは安倍政治をどう総括し、変えようとしているのか。それぞれの政策や主張を点検した。

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