紀子さま、眞子さまの結婚に言及【回答文書全文】

2020年9月11日 00時01分
 秋篠宮妃紀子さまが11日の誕生日に際し、宮内記者会に回答した文書の全文は次の通り。
 ―新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、立皇嗣の礼が延期されたほか、多くの公務が延期や中止となった。そんな中、秋篠宮ご一家はオンラインを活用して説明を受けている。こうした活動についての考えについてお聞かせください
 この1年を振り返りますと、まず、即位の礼とそれに関連する諸行事のことが思い起こされます。一連のお行事が無事に執りおこなわれたことを、大変よろこばしく思っております。即位礼正殿の儀をはじめとするお行事に参列された方々や、祝賀御列の儀や一般参賀などに集まられた多くの皆さまから寄せられたお祝いの気持ちに感銘を受けました。これからも宮様とご一緒に天皇、皇后両陛下をお支えできますよう、努めて参りたく存じます。
 昨年の9月から11月には、アジアで初のラグビーワールドカップが日本で開催され、宮様とご一緒に開会式に出席しました。開催期間中には、東日本大震災で津波の被害を受けた岩手県釜石市を訪れました。釜石鵜住居復興スタジアムで復興支援に感謝する「ありがとうの手紙 #Thank You From KAMAISHI」を歌う小中学生の声や、街中で案内や通訳、震災の語り部として活躍していた釜石市民の姿は、地域の人々の心が込められた大漁旗がひるがえる光景とともに、忘れがたい思い出です。各地で、気迫に満ちた競技を見せてくれた選手とスタッフ、ボランティアなどの大会関係者、そしてサポーターが一体となった、素晴らしい大会でした。
 12月には、「全国育樹祭」が開催された沖縄県を宮様と訪問しました。首里城の正殿等が焼失するという大変残念な出来事の少し後で、沖縄県立芸術大学構内で説明を伺いながら、首里城方面を静かに望みました。歴史的な建造物の修復と再建、貴重な美術工芸品の収集、復元や保存にむけて、今も励ましや支援が寄せられています。私もこうした取り組みに共感しつつ、沖縄文化研究者で紅型の染色家でもあり、首里城の再建に貢献した鎌倉芳太郎氏についての本や資料を再び読み返しました。
 今年の1月には、「1・17のつどい―阪神・淡路大震災25年追悼式典―」に宮様と出席しました。震災後に作られ、歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」の小学生による合唱と、災害を見つめ考える小中高生や、傾聴のボランティアをされているご遺族が語る言葉が胸に響きました。この震災の経験を一つの契機として、被災者や支援者の心のケアが国内外に広がっていることは、多くの人々の支えになっていることでしょう。
 また、今まで皇太子同妃両殿下(当時)がなさっていたお行事で、お代替わり以降に私が務めることになった行事もいくつかありました。
 昨年11月には、赤坂御用地内の赤坂東邸で初めて「母子保健奨励賞」の受賞者にお目にかかりました。心身に不安のある妊産婦・母親の支援、子どもの虐待の予防・早期発見、新生児の医療体制づくり、子どもの予防接種の普及、障害のある子どもの口腔治療などについて、受賞者から貴重なお話を伺いました。
 同じく11月におこなわれた「『日本賞』教育コンテンツ国際コンクール授賞式」に出席しました。この授賞式をきっかけに、幼い子どもが遊びながら学べる内容や、難しいテーマについて考えさせる内容など、多様な視点で作られている世界各国の教育番組を視聴しました。番組製作者や教育関係者のお話を伺う催しも、大変興味深いものでした。
 今まで、国際協力機構(JICA)の専門家からは、折にふれて赴任地における活動についてお話を聞いてきましたが、昨年からはそれに加えて、宮様とご一緒に、派遣される前の青年海外協力隊と日系社会青年海外協力隊の隊員に会い、また任期を終え帰国した隊員からの報告を受けるようになりました。今年はCOVID―19の拡大のため隊員の海外派遣が中止され、海外で活動していた隊員の多くは帰国していますが、現地とオンラインで連絡を取り合い、支援活動を継続している隊員や国内で活動する隊員もいるそうです。今できることに真摯に取り組んでいる若い力を、頼もしく思います。
 今年2月以降は、医療現場の困難に加え、暮らしのあらゆる分野で感染症対策が必要となり、経済・社会にも多大な影響を与えています。そのような中で、令和2年7月豪雨による広範囲にわたる災害がおこりました。80名を超える人が亡くなり、いまだに行方がわからない人もいる状況です。また今なお千人以上が避難していると聞いております。気候が変化してきている近年、このような災害への対応について改めて考えさせられました。それとともに、避難所など人が密になりやすい場所においての感染症対策も大切な課題であると思います。さらに本年は例年より梅雨明けが遅く、夏は猛暑になり、熱中症によって命を落としたり救急搬送されたりした人が多数いました。9月に入った今も暑い日が続いており、人々の心身の健康と生活を案じております。
 皇室においても、このような中で、今年の春にお引き移りになった上皇、上皇后両陛下がお健やかにお過ごしになることを心より願っております。また、齢を重ねられた常陸宮同妃両殿下、ならびに三笠宮妃殿下のご健康を願っております。
 この春からは、世の中の多くの催しが中止や延期となりました。現在は、開催される行事の形を工夫しながら少しずつ再開しているものもありますが、感染症によってさまざまな活動が制限されています。その一方で、テレワークや、オンラインによるシンポジウムなどへの参加、動画配信など、WEBの利用が進み始めています。
 私たちの日々の活動において、オンラインを利用する機会が多くあります。たとえば、私たちが毎年出席をしていた全国高等学校総合文化祭「2020こうち総文」が、「WEB SOUBUN」という形で、10月末まで開催されており、8月上旬にライブ配信された総合開会式を宮様と長男と一緒に視聴しました。後日、従来通りの実施はかなわない中、情報通信技術も活かして立派な開会式を作り上げた生徒実行委員の代表や各部門の参加者数名と、画面越しですが、お話をすることができました。その機会に説明を受けた部門をはじめ、次々に公開される作品やパフォーマンスをオンラインで少しずつ視聴できることはうれしく、熱心に取り組んでいる全国の高校生たちに、心を動かされています。
 また、このたびの感染症の拡大について、オンラインでさまざまな分野の専門家からのお話を家族で伺い、私たちが理解を深める大変ありがたい機会と感じております。準備をしてくださった資料や説明から、現場の困難な状況や努力の様子などがよくわかりました。私が携わっている結核予防会と母子愛育会からも、資料や電話のほか、オンラインでも報告を受けました。
 国境を越えた交流をオンラインでおこなえることも実感しました。国際結核肺疾患予防連合が開催したオンラインセミナーでは、世界各地からの参加者の発表や質疑応答を視聴することができました。
 このように、オンラインは遠方の人も含め、自宅や学校、職場から離れずに参加することができ、コミュニケーションの可能性を広げていると感じます。その一方で、一般的な情報通信機器を使うことが難しかったり、その使用によって疲労感が増したりする人もいると聞いており、気にかかっています。直接会うことの良さは多くありますので、状況に応じた豊かなコミュニケーションのあり方について、今後も考えていきたいと思います。
 感染症と向き合ってきた医療従事者や、災害対応の関係者、社会を支えるさまざまな仕事に従事する人々に、深く感謝しております。早く感染症の状況が落ち着いて、人々が安心して集い、働き、学び、おだやかに暮らせる日の来ることを願っております。
 ―新型コロナで休校が続いた悠仁さまの様子や今後の進路は。眞子さまや佳子さまの様子は。
 長男は、期末考査終了後の2月末から自宅学習が始まり、普段の授業時間に合わせて学校の課題に取り組んでいました。5月の連休明けからはオンラインで遠隔授業がおこなわれるようになり、それを軸にして学習を進めていました。6月に登校が再開したときは、お友だちと久しぶりに会えることがうれしそうでした。徐々に学校で過ごす時間も長くなり、8月上旬におこなわれた1学期の終業式まで登校しました。8月下旬からは2学期が始まり、元気に通っています。
 自宅学習の期間中など、自分で計画を立てて過ごす時間が増えました。昨年に引き続き、赤坂御用地内においてトンボの調査を進めています。短い夏休みの間も、時間や場所を決めてきちょうめんに観察し、折にふれて父親にも相談しながら調査をしていました。また、夏休み中は、学校の課題などに取り組むほか、学校の図書室から紹介された本や自宅にある本を読んでいました。
 今後の進路については、本人と家族でよく話し合って決めていくことになると思います。今は、学校や家での勉学にしっかり取り組むことが大切であると考えております。
 長女と次女についてですが、昨年は2人とも、ご即位関係の儀式や宮中で催された茶会などに参列、陪席する機会があり、それぞれの機会を大切に思いながら務めていました。今年になってからは、国内外のCOVID―19関連の報道を、心配そうに追っておりました。COVID―19の感染拡大にともない、娘たちが出席する予定だった春からの行事は中止や延期、開催方法が変更になるなどの影響もありました。
 長女は、総裁を務める日本工芸会や名誉総裁を務める日本テニス協会から、オンラインで説明を受ける機会がありました。毎年おこなってきた日本伝統工芸展の受賞作品の選定は、日本工芸会と話し合った上で環境を工夫し、今年も実際の作品を目の前にしておこなったと聞いております。
 次女は、最近では、昨年出席した産経児童出版文化賞についてオンラインで説明を受け、文章を寄せていました。受賞作を丁寧に読み、時間をかけて文章を作成しているようでした。また、今後携わる予定の行事についても説明を受け、準備を進めています
 そうした中で、宮様はCOVID―19が社会のさまざまな分野におよぼす影響や対応について、できる限り幅広く理解することが大切とお考えになりました。その考えを私たち家族も大切に思い、感染症の現状と歴史、治療や予防の現場、ウイルスの研究、経済や社会への影響と対応、感染症への偏見や差別の現状や対策などについて、関係者のお話を伺うようになりました。長女と次女は春から宮様や私と一緒に聴講し、資料も細かく読み込んでいました。長男も中学校が夏休みのときに加わりました。オンラインで受けた内容について、食事の時間に話し合うこともよくありました。私たちそれぞれにとって、感染症とその影響について多角的に理解するための助けになるとともに、そこから考えをめぐらし、さらに学ぶための大切な機会になったと感じております。
 5月に、宮様が総裁を務める済生会からお話を伺った際、病院で使う防護服が不足し、職員やそのご家族、市民ボランティアなどが簡易な防護服を作っていると伺いました。初めて作る人でも手順と注意事項を守れば、簡易な防護服を製作が可能であることを知り、私たち家族と有志の職員とで防護服を作りました。子どもたちも熱心に参加していました。
 そのほかに、全日本ろうあ連盟が期間限定で配信した映画や東京芸術大学の若手芸術家を支援するチャリティーコンサートなどを視聴しました。また、週末に畑の草取りや野菜の収穫をすることもありました。時折、宮様と赤坂御用地内を散策することもあります。久しぶりに家族でボードゲームをしたこともありました。
 ―眞子さまと小室圭さんの結婚と、佳子さまの結婚や将来について。
 長女の結婚については、対話を重ねながら、親として娘の気持ちを受け止め、一緒に考えていくことが大切だと考えています。その中では、共感したり意見が違ったりすることもありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ、長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております。現状や見通しを含め、話したことの内容をお伝えすることは控えさせていただきます。
 また、次女の結婚や将来についても、話し合う機会があった際には、本人の考えに耳を傾け、対話を大事にしていきたいと思います。(共同)

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