衆院選にらみ枝野氏「消費税ゼロ」 合流新党、態勢づくり急ぐ

2020年9月11日 06時00分
 立憲民主、国民民主両党などが合流して発足する新党は10日、新代表に立民の枝野幸男代表が選出され、党名が「立憲民主党」に決まった。より大きくなった野党第一党として政権担当能力が問われると同時に、自公政権に対抗する野党勢力の構図が固まったことで、次期衆院選に向けた各党との選挙協力を進められるかも焦点になる。(横山大輔)

◆野党共闘へ慎重姿勢を転換

 「もし(早期に衆院)解散をするならば、正面から受け止めて国民の皆さんの選択肢になる。解散総選挙を勝ち抜くため、準備を迅速かつ着実に進めていく」
 枝野氏は代表選出後のあいさつで、政権交代への決意を語った。
 政権奪取を目指すなら、野党共闘は不可欠。このため、枝野氏は代表選の期間中「野党連携を進めてきた皆さんと最大限の協力をしたい」と繰り返し強調した。加速へのカギを握りそうなのは「消費税減税」だ。

合流新党の新代表に選ばれ、声援に応える枝野幸男氏。右は泉健太氏=10日、東京都千代田区で


 枝野氏は、消費税増税を決めた旧民主党政権で要職を歴任した経緯もあり、もともと消費税減税には慎重だったが、代表選を前に方針を転換。コロナ禍を受けた消費刺激策の「アプローチの一つ」と減税に前向きな姿勢を示した。9日には与野党合意を条件に、一時的に0%への引き下げを容認する考えを表明し、さらに踏み込んだ。
 消費税減税を巡っては、れいわ新選組の山本太郎代表が選挙協力の絶対条件だと明言。合流に加わらず、新「国民民主党」を立ち上げる国民の玉木雄一郎代表も野党間で一致すべき政策に挙げていた。共産、社民は以前からの主張だ。

◆政権との対立軸を意識

 立民、国民と共産、社民の4党は昨夏の参院選で、32の改選1人区の全てで野党統一候補を擁立し、10勝と善戦した。自民党総裁選で優勢な菅義偉官房長官は消費税減税に否定的なため、次期衆院選では大きな対立軸となり得る。枝野氏の発言を呼び水に、これまで以上に選挙協力が進む可能性は高い。共産の志位和夫委員長は10日の記者会見で、枝野氏の発言を受け「歓迎だ。消費税減税を野党共闘の旗印にして(与党に)実現を迫っていきたい」と話した。

◆地方組織の統合はこれから

 ただ、課題もある。今回の合流は早期の衆院選をにらんで急ぎ足で進めたため、地方組織の統合はこれからが本番。小選挙区の候補者に関しても、それぞれの党が独自に擁立作業を進めており、調整が必要だ。
 枝野氏は「困難を乗り越えて結集した仲間に感謝と敬意を表したい」と強調するが、完全な合流を目指しながら、玉木氏ら国民の一部議員は別の道を進んだ。
 旧民主党勢力は、2012年衆院選で惨敗し、野党に転落して以降、低迷が長期化。17年衆院選の分裂騒動を経て、立民と国民、いずれにも属さない無所属の3派に分かれた。衆院は野党第一党ですら50人規模という「多弱」の状況を生み、結果として「安倍一強」を許し続けた。
 今回の合流により、衆院の勢力は106人。旧民主党が政権交代を果たした09年の衆院選前の112人に迫り、枝野氏には満足感より緊張感が漂う。「ここから本当の戦いが始まる」

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