障害者の働く場 もう一つ 干しいも工場資金の寄付募る 川越の母親ら

2020年9月11日 07時41分

資金集めのための会議を開く母親と職員たち=川越市で

 知的障害者らが働く「川越いもの子作業所」などを運営する川越市の社会福祉法人「皆の郷」が、川越名物サツマイモの干しいもを作る「第4川越いもの子作業所」の来年四月開所を目指し、寄付を募っている。新たにインターネットでの募金(クラウドファンディング)も始め、職員や保護者らは「川越になかった干しいもを新たな地場商品にすることで、農家や企業など地域との関係を広げ、未来につなげていきたい」と夢を描いている。(中里宏)
 「川越いもの子作業所」は一九八七年、当時は高校を卒業すると行き場のなかった重度障害児の母親たちが中心になり、無認可小規模作業所として開設したのが始まり。九一年に法人化。「川越で行き場のない障害者をつくらない」を合言葉に、五年ごとに新しい施設を造ることを目標に掲げてきた。
 現在、作業所など五つの働く場に二百三十人が通い、グループホームや入所施設に八十五人が入居している。好きなデザインを食用インクでプリントできるせんべいやうどんは品質が評価され、企業との連携も生んできた。ただ、施設はどこも定員がいっぱいになり、新たな利用者の受け入れが難しくなっているという。
 第4作業所は二〇一六年に建設を決定。昨年六月にようやく同市石田に土地を借りることができた。生活介護施設を兼ねる「多機能型障害者事業所」として建設され、総事業費は四億三千万円。保護者と職員でつくる「皆の郷をささえる会」(約五百人)の母親たちを中心に、昨年十二月からほぼ毎日、企業を回るなどして六千万円を目標に寄付を募ってきた。
 一方、新型コロナウイルスの感染拡大で、計五百万円の収益を見込んでいたチャリティーコンサート(六月)や市立富士見中学校でのバザーイベント(十一月)が中止になった。開所後の運営費に充てるため、新たにクラウドファンディングを始めた。
 募集は十一月六日までで、目標額は二百万円。皆の郷の町田初枝理事長は「子どもたちが住んでいるこの町に、行き場をつくっていきたいという思い」と協力を求め、大畠宗宏常務理事は「干しいも作りは障害の重い人も参加できる。作業所は自分たちの利益のためではなく、社会資源として次の世代のために実現させたい」と話している。

募金を呼び掛けるクラウドファンディングのページ


関連キーワード

PR情報