<11日に考えた>コロナ対策 避難所でも 富岡市、昨秋の台風教訓に増設  

2020年9月11日 07時59分

市独自で作製した飛沫防止の間仕切り=富岡市で

 台風シーズンを前に、新型コロナウイルスの感染防止対策を念頭に豪雨などの自然災害に備えるため、各自治体は対応を迫られている。昨年十月に台風19号による土砂崩れで三人が亡くなった富岡市は、指定避難所が避難者であふれたため、避難所の増設、飛沫(ひまつ)感染を中心とした市独自の新たな対策で備えている。(市川勘太郎)
 同市は台風が上陸した昨年十月十二日夜、市内で四十二カ所ある指定避難所のうち二十二カ所を順次開設し、計約千五百人が避難。五カ所では避難者があふれ、近隣に避難所を開き移ってもらった。収容人数の百五十人に、三百人以上が集まった場所もあった。
 こうした教訓から、市は指定避難所に加え地域の実情に応じて集会所などを「地域避難所」として登録し、避難者を分散させる。さらに各避難所内の「三密」を避けるため、全十七小中学校の避難場所は従来は体育館のみだったが、武道室や理科室などの特別教室も開放できるようにした。
 避難所内での飛沫防止対策として、二メートル四方で高さ九十センチの段ボール製の間仕切りを計三十セット導入。市独自に高さ約一・八メートルの鉄製のポールを四隅に立てて組み立て、入り口以外の上部に農業用の透明のビニールシートを張って囲む。プライバシーの確保に努めながら、高齢者などが入る場合は外から様子も分かるよう工夫した。
 市は間仕切りの組み立てのマニュアルを同封し、区長の集会などに貸し出して住民が組み立てる訓練も実施。市危機管理課は「行政と地域が協力して地域防災力を高めたい」と語る。
 一方、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故では、放射性物質は群馬、栃木県内にも到達。原発事故が発生した場合には屋内退避が必要だが、屋内の換気はできず、密閉空間になる恐れがある。コロナの収束が見通せない中、換気が必要な三密対策と、放射性物質対策を両立できるかが課題になりそうだ。

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