相乗りタクシー住民も運営 安中・細野地区28日から社会実験

2019年10月26日 02時00分

出発式で地元住民を乗せた相乗りタクシー=安中市で

 マイカーや既存の公共交通によらない「新たな移動手段」として、県と安中市などは二十八日、同市北西部の細野地区で「相乗りタクシー」の社会実験を始める。地区住民が運営に参画するのが特徴。当面は業務の一部だが、実験を踏まえ、住民が事業主体となって運行を担う仕組みを目指す。スタートを前に二十五日、地元の細野ふるさとセンターで出発式が行われた。 (石井宏昌)
 実験では地区内から病院や金融機関、市支所のある松井田地区中心部、スーパーや病院のある安中地区をつなぐ。タクシー一台(乗客四人乗り)が二ルートを曜日に応じて週二日ずつ走る。ともに行きはダイヤを決めた運行。ルート上に乗り場五十八地点を設け、あらかじめ設定された目的地十カ所から行く先を選ぶ。帰りは自宅近くまで送る。料金は松井田地区まで五百円、安中地区まで千円。
 利用希望者は事前登録し、利用の際は事前に日時や乗車地、目的地などを予約。予約受け付けを住民ボランティアが担い、運転は民間業者が行う。十二月二十七日まで実験を続け、利用実績や利用者の意見、運営上の課題などを検証。車両の運転も含めて住民ボランティアが運営する本格導入の可能性を探る。
 県や市によると、細野地区は人口減少や高齢化が進み、三月末現在、千七百八人の地区住民のうち六十五歳以上が44%を占める。住民によると、かつては路線バスが走っていたが廃止され、現在は地区内に公共交通はない。
 高齢者や障害者などマイカーが使えず日常の移動が不自由な「交通弱者」や高齢者による交通事故が全国的な課題になる中、新たな移動手段確保に向け、県、市、住民らが一月から検討会や部会を重ねてきた。住民アンケートも踏まえ、相乗りタクシーを始めることになった。
 細野地区の萩原豊彦代表区長は「高齢化が進み、五年後、十年後には運転免許返納者が激増する。交通弱者問題に直面する今後に備え、住民が協力して本格運行につなげたい」と語る。

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