<志尾睦子のそふとフォーカス>(87)  変わらずそこにある映画祭

2019年10月27日 02時00分

行けなかった私に届いたとっておきのお土産。仲間の愛がうれしい

 気づけば運動会シーズンも過ぎ、すっかり秋深まる頃になった。今年も順調に、せわしない年末が近づいている感じがする。十月の気候は荒れ気味で、大型台風もあったから、いくつかの予定が中止や変更になったことも、気忙(きぜわ)しさに拍車を掛けているのかもしれない。
 各地の映画祭で季節を感じているところがある私なので、秋の一大映画祭に足を運べなかったことも大きい。十日から十七日にかけて開催された「山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)」には、台風の影響もあり、行くことができなかった。前回は最終日前の滑り込みだったから、今回は数日を満喫しようと予定を立てていただけに、気持ちの痛手は大きくもあった。とはいえ、それもひとえに高崎の地で映画館スタッフ一丸で台風対策をし、お客さまの安全を確保できたからこそ感じられるものなので、また次回を楽しみにしようと思う。
 山形市の市制百周年を記念して一九八九年に産声を上げたこの映画祭は、今やアジア最大級のドキュメンタリー映画祭として、世界中から注目される存在だ。新しいドキュメンタリー映画との出合いは実にワクワクするし、全国各地から映画ファンや映画関係者が山形に集結するので、YIDFFは出会いの場でもある。
 セミナーやイベントの内容も毎回新しいアイデアにあふれ、とても活気がある。映画を見る以上に、その場を楽しみにエネルギーチャージに出掛けるという人も少なくない。私もそんな一人だ。
 今年は開催中に大型台風が日本上陸となり、スタッフ皆さまのご苦労やご心労は察するに余りある。無事に終えられたことを、この場を借りてねぎらうとともに感謝申し上げたい。合間を縫って山形に出掛けたスタッフや知り合いから、また今年も素晴らしい時間だったと伝え聞けたことが何よりうれしかった。行けなくても、会えなくても、そこに変わらずあることがうれしい。高崎もそんな場になるようにしたいと改めて感じた季節の変わり目。
 (シネマテークたかさき総支配人)

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